2018年の夏。

タイトルはブッツァーティの短編のごとく。
しかしこれは実際におこったことであり、私はもうすぐ1年経過してもなおこのことを忘れられない。
2018年7月の西日本豪雨災害である。
私は夕方以降、ニュースやWEBでの状況を観ていた。
帰宅時間にかかったこの集中豪雨は当初、道路の混乱などが主であった。

豪雨により屋根の上で救助を待つ人が多くいるにもかかわらず、夕方から夜になっていく。
NHKだけが状況を地方行政区や消防などと連携して行方不明者や救助をもとめる人について報じていた。この間、官邸は何も対策を行わなかった。
民放地上波は、L字放送にもせずに普段通りバラエティ放送を行っていた。まるで何もおきていないようだった。

あたりは暗くなり、夜7時、8時頃になると、NHK防災などが「かならず救助がきます、これから夜になりますが気をつよく持って救助が来るのを信じて心を強くもって下さい。」と訴えていた。とても悲痛だった。

屋根の上で一階家屋が浸水しながら救助をもとめた人は多かったがついに夜22時をすぎていった・・・一体あの人たちは大丈夫だろうか、いかに心細いか。相変わらず地上波民放は何も放送していなかった。

夜中の12時、つまり24時以降はNHKもL字放送になり、その間予定通りなのかアニメの「進撃の巨人」を放送しはじめた。200人以上死傷となる災害になることはこの時点で明白になっており、なおも救助はされていなかった。そういった悲痛なニュースがテロップやL字放送で流れる中、放送しているアニメの戦闘の音声や「巨人」たちのうめき声や咆哮、バトルアニメシーンが延々と夜中のNHKで流されているさまは、えもいえぬ不気味さがあった。
リアルタイムで、生死をさまよっている方がおり、すでに何人もの人が豪雨により避難できず、行方不明の未成年者も多くでている現状で、この情報をみながらこのアニメを楽しんでいる心境や、放送することも不可解だった。なによりも他人事感、官邸や政府側が対策をとる気配がなかったし会見なども行われていなかった。

フランスへの外遊(式典や自衛隊のパレード:軍としてフランス軍と・・・)を控えていたため、このニュースを報じてしまうと、日本が欠席になるために民放放送局は一切放送しなかった。
豪雨中は赤坂自民亭とよばれる、議員たちと首相、閣僚を中心とした持ち寄り親睦の酒宴をしていたという。

翌朝のニュースでは、逃げ遅れたり二階へ自力であがれなかった介護老人らが一階自宅に取り残されて遺体となって見つかった・・・一件だけではない。
あまりにもひどいと思ったし、今もそれほどの絶望だったかと思う。
濁流となって水位があがり、一階家屋が浸水してくるのを知りながらそこで溺死してしまう。

今、このことを報じているニュースはほとんどない。
1一か月後から復旧作業が遅々としてすすまない旨は報じられていたし、治水事業上の問題などもしばらくは取り上げられた。しかしそれも2か月もたたないうちに何も報じられなくなっている。果たして復旧や今後の対策についての続報は?

この記事は、じつは2018年の暮れ、12月末に書き残そうと思っていたものだ。
あの時の事件はまさに悪夢のように脳裏から離れない。
逐一、夜中中、ニュースをみていたし、避難をまつ人への呼びかけを繰り返し一日聞き、結果多くの人がその希望をもてずに亡くなった。・・・
天候のあとの対策がほぼ人災だからというのも大きい。

もしこの災害も忘れてしまったり、天候のせい、行政が必要な対策工事をしなかった、治水事業みなおし、などをせずにもはや保守や従来の共同体主義がつづいているとみて、現在の自公政権を支持してしまうのは正しい判断だろうか。・・・

ずっと何か書き残しておくべきだと思っていたのだが、今年も雨季そしておそらく集中豪雨は山間部や河川で起こる可能性がある。

書き留めておく次第。

NHKは放送をしていたが、そのニュースを少しあとに参照すると、記事が消えていたりもした。
こうした報道と政治側の癒着もこの災害の被害を拡大した問題点であり、いまだにこの構図は続いているのだ....。


https://www.asahi.com/articles/ASL794564L79UTIL015.html

気象庁は9日、西日本を中心に降り続いた今回の記録的な大雨の名称を「平成30年7月豪雨」と決め、発表した。同庁は顕著な被害が起きた自然災害に名称をつけている。朝日新聞のまとめでは、台風7号が九州に接近した3日以降、9日午後1時現在、13府県で96人が死亡、行方不明や連絡が取れない人は82人となっている。

 今回の豪雨で気象庁は、数十年に一度の重大な災害が予想される場合に出す「大雨特別警報」を6日から8日にかけて福岡、佐賀、長崎、広島、岡山、鳥取、京都、兵庫、岐阜、愛媛、高知の11府県で発表。8日までにすべて解除されたが、2013年に特別警報の運用が始まって以降、一つの災害で4都道府県以上に出されたのは初めて。


https://www.yomiuri.co.jp/feature/20180706-OYT8T50006/

近畿や四国を中心に記録的な大雨が続きました。各地で土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、大きな被害がでています。これまでの被害をまとめました。(写真特集「西日本 記録的な大雨」は、こちらから、「西日本豪雨 捜索と復旧」はこちらから
https://www.yomiuri.co.jp/s/ims/flood201807/
西日本の広範囲を襲った豪雨の死者は200人を大きく超え、平成に入って最悪の豪雨災害となった


死者179人、不明61人に…炎天下の捜索続く(7月12日)

浸水で使えなくなり、道路脇の空き地に積み上げられた家財道具(11日午後、岡山県倉敷市真備町で)=鈴木毅彦撮影
浸水で使えなくなり、道路脇の空き地に積み上げられた家財道具(11日午後、岡山県倉敷市真備町で)=鈴木毅彦撮影

 西日本を襲った記録的豪雨は11日、さらに死者数が増え、被害が拡大
















https://www.bbc.com/japanese/44761300

西日本各地に被害を与えた記録的な豪雨で、9日までに死者の数は100人を超えたおそれがある。安否不明の人も60人を超すなど、被害者の数が増え続けている。


西日本での5日以降の降水量は、通常の7月1カ月分の3倍に達した。

数百万人に避難指示・勧告が出された。

日本政府は8日午前、災害対策基本法に基づき非常災害対策本部を設置(3日経過している)

豪雨による被害を受けて、11日から18日にかけて予定されていた安倍首相のベルギー、フランス、サウジアラビア、エジプト4カ国の訪問を取りやめる

この外遊、外交行事日程(を取りやめる大事にしたくないがために?)のために対策が遅かったと批判が多かった。

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2018年の悪夢:西日本豪雨災害

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    てっせん、なずな、クリスマスローズ、ユウギリソウ

    二階の廊下アーチ状のニッチ部分。5月は3年前の胃腸炎を再発し、一時期は多少回復(といっても2日くらい)したものの、月末の日曜に再発気味になり、熱+吐き気で、いけばなをお休みしました...ご指導いただいている先生から、てっせん、クリスマスローズなどのお花を「お大