東京バレエ初演 アンナ・マリー・ホームズ版『海賊』(舞台美術装置 衣裳 /ミラノスカラ座)を観に行きました。
プティパイヤー、東京バレエがクラシックの演目で初演が予定されている、というのは1年半くらい前から話題になっており、『海賊』だとわかってからはかなり話題になっていました。
2019年 都民芸術フェスティバルの一環でもあります。




本来なら上野さん、柄本さん、沖さん、秋元さんとどちらの公演も行こうと思っていたのですが、日曜日17日はチケットを買うのが遅れて観られておりません。

沖香菜子さん、秋元康臣さんは、それぞれ、スプリング&フォール、新国立劇場でのベジャール 「ザ・カブキ」での由良之介がとても良かったので、16日のキャスティングでは絶対にみようと思っていました。






沖香菜子さんのメドーラ、とても音楽的で、1幕から3幕まで、アンナ・マリー・ホームズ版の海賊の明るい雰囲気にとてもあう。秋元さんのコンラッドも素晴らしかった。「海賊」はABT版がアンナ・マリー・ホームズ版で、もう一つ有名なバージョンは、マリインスキー(キーロフ)版だと思います。
大きな違いは、1幕にオダリスクのヴァリエーションが入ること。(他のバージョンだと3幕の花園の場の前、パシャの宮殿の場で入ります)
ABT版が有名ですが、奴隷市場とか海賊とかが明るく描かれており、パシャもユーモラスなので暗い雰囲気がなく、クラシックバレエとしての踊りと音楽と演技がバランスがよく、テンポよく進むので、クラシックの入門編としても適している版です。簡単になっているというよりは、愛好家以外も楽しめるという意味で、しかしながらそのためにはバレエが好きになるような舞台公演の良さも求められると思います。

16日の公演はとても良かったです。
3人のオダリスク、ギュリナーラとランケデムのパ・ドゥ・ドゥそれぞれのヴァリエーション、メドーラ、ビルバント、アリと主要な人物がすべて1幕で揃います。花園の場の前にオダリスクが入る版より。、オダリスク→ギュリナーラ→メドーラと順番に登場する意味が強まるので、メドーラは本当に重要な役。
たとえば、眠りだったら、妖精→リラの精→オーロラ、と登場しますし、4人の王子→デジレの登場順になるような。オダリスクは金子仁美さん、中川美雪さん、湧田美紀さん。ポワントワーク、音楽にあったパ、特に第2ヴァリエーションとコーダ3人で踊るところが素晴らしかったです。ブリゼの連続が本当に軽やかで、花園の場のコールドも以前に比べてとても音楽にあっていて今の東京バレエは女性ダンサーも良いと思いました。

アリは池本祥真さん。初めてちゃんとヴァリエーションと見ましたが、跳躍が高くしかも遠くまで長く続き、パとパの間の繋ぎも滑らかかつ、おそらく脚の付け根の可動域がとてもあるのでしょう、着地したり、次のパに入るときのプレパラシオンの時も美しく、フォルムと動きの間のヴィジョンが残ります。
ブラヴィッシモ!

コンラッドも一番よくみているABTはイーサン・スティーフィルがお国柄か、かなりマイムや演技がアメリカン・ガイな役作りなのですが、秋元さんのコンラッドは、アンナ・マリー・ホームズ版でやっと一番リーダーらしい、コンラッド青年という感じがして良かったです。秋元さん、コンラッドすごく似合うな、という声も聞きましたが同感。

ビルバント、アメイの踊りの場は、海賊のおおらかさをあらわすエッセンスある場ですが、そこもよかったです。
17日の奈良さんのアメイも見たかった。

24日のCS朝日の特番も録画したのでまた少し書き足すと思います。











この感じだと、ラ・バヤデールも東京バレエになじみそうです。