イタリア、フランス、英語はもちろん各国でベストセラーになった「クレシェンツォ言行録」(イタリア語)はイタリアのナポリ大学を数学科を卒業し、その後IBMで技士として働いたルチャーノ氏が引退後に書いた本である。
訳者による谷口氏が、「前置き」としている中で、ナポリの詩人サルヴァトーレ・パロンパ氏が読んだもので、イニャツィオ・ブッティッタのシチリア方言が使われており、引用しているものだ。


2017-04-08-09-14-54



一つの民族を
鎖にかけよ
持ち物を奪え

口をふさげ、
それでもやっぱり自由だ

一つの民族から仕事を取れ
パスポートを取り上げよ
食卓を取り上げよ
眠るベッドを取り上げよ、
それでもやっぱり金持ちだ

ある民族が貧しく
奴隷となるのは
父祖から伝えられた
言葉を奪われるときだ、
その時は永久に失われる。






私がいくつか、ルチャーのこの本についても引用しながら何か書いておこうと思う理由はいくつかあるのだが、私もこの詩を前置きとして引用させて頂こうと思う。
なおもう少し前置きするならば、この哲学的エッセイなのか、短編小説なのか、偶数章は後者であるということ、そして哲学的エッセイもまた登場人物による対話が(じつに愉しい)ふんだんにある。マロッタとプラトンは、主義主張の明確さのために、プラトンはヴェッラヴィスタ先生(わたしたちのソクラテス)が登場する。とか言いながらもとにかくお読みいただくのがいいのだが、どうも我が国では、本を読むということが、楽しい体験や経験、それ以上になることよりも、強制されるもの、そこに書いてあることに感心してみせて自分を反省しなくてはならいもの(紋切り型の読書感想文課題以降は本を読む権利もなくしてしまったような人もいる...)真面目に読まねばならない(ウィキペディア症候群的なダイジェストでわかった錯覚およびユーモア欠乏)が多く、いささか硬直的あるいはヒステリー気味になっているむきもあるので、せめて1回か2回、・・・ルチャーの本について書いてみようと思た次第。



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レンギョウとたつなみそう。しだれ桜。

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