
月組公演行って参りました、2回目とありますが、本来なら4回目です...まさか本当にオットー・クリンゲラインと同じように病院から出てくるとは思いませなんだ...それだけにちょっとその部分ですらわかるような気がしてしまうという観劇でした。
グランドホテル、このお芝居は3回以上見ると台詞の端々や、挿入されるダンス、前回も書きましたがこのベルリンのホテル(最高級といわれている・それだけに憂いがあるのはなぜなのか)をめぐっての様々な職業の人々の言葉や想い、ふるまいがわかるようになりますね。初見でもそれはわかりますが、それ以上に。
1928年、ベルリン。前回も思ったことですが、電話という場所と距離が離れた人々を繋ぐ会話を可能とするものがドラマを紡いでいます。それは冒頭の電話交換手やオットー、プライジング、フラムシェンらの会話もそうです。
そして象徴性。盲目の伯爵夫人とジゴロのダンス。チャールストンも愉しみにしていましたが、今回はその前にほぼ全員で踊る(同じ振りで背後にずっと踊る人々たち)場面もずっとみていました。古い時代、それから新しい時代、少しずつ入り込んでくる現代性、食い止められないであろう資本主義の時代、機械的動労や分業の時代そういった人間の中に入り込んでくる機械的な部分、そうしたものもクラシカルな部分に象徴性として描かれている。コーラスが前回みたときに各段に上手くなっていました。
美弥さんのオットーは台詞が丁寧で、中盤から最後に「人生」「生」を見出すまでのところが素晴らしいです...冒頭のドクターが言う「君ね、人生は建物の中にあるのではない。人間の中にあるものなのだ」それを理解した後のオットーは新天地であるパリへ向かいます。(プライジング:華形ひかるさん演じるところの はアメリカに向かおうとしている)おそらくフラムシェンとともにパリへ向かうだろうというところであとは観客にゆだねられると思うのですが、劇の冒頭で、妊娠したかもしれない、といっているフラムシェンは、おそるおそる(もちろんそれはオットーの子ではない)オットーに云いますが、「素晴らしい、私はまだ生まれたばかりの赤ちゃんを見たことがないんです」と本当にうれしそうなオットーがいいですよね、未知と未来に心から喜んでいる。人は変われるんだという。(オットーの変化は、男爵の最初の思惑とは違っていても男爵のオットーへのふるまいを通じて変化したもの...本来は陰の部分も濃いグランドホテルなのですが、そこで男爵の陰の部分を知らずに彼の存在や言動の光の部分をみて、そして音楽やダンスを通じて彼が生きることとは何かを知っていき最後にはそこにすがることなく出ていきます。演技を超えている)役替わりのエリックが朝海絢さん。劇の冒頭では出産で苦しんでいる妻をやはり電話を通じて気遣って心配している。そして劇の最期では、フラムシェンのあとにオットーに告げに来ます。「息子が生まれました」と。それに対しても本当にうれしそうにするオットー、男爵がオットーに渡した金のシガレットケースをエリックと息子に譲ります。
中沢進一の「純粋な自然の贈与」の一節を思い出しましたね...善意はため込むものではない、大切なものをあげる(プレゼント、贈与)することで受け取った側はそれは貯めておくものではないはずで、それはしかるべきときに、他者へ同じように善意を贈与することで幸福を共有することができ、その人と過ごした時間や言葉ややりとりなども共有できるようになるという一節...。オットーとエリックには男爵が与えたプレゼントを介して純粋な贈与を共有できるでしょう..ずっと一緒にいる必要がなくても、別れ、また新しく出会う、そうした人のドラマが最後のオットーとエリック、フラムシェンの会話には現れているなあと思います。
この日は比較的多くの国外の方がいらしてました、もしかするとこの公演か次の演目の関係者かもしれませんが詳細はわからず。千秋楽だった花組さんもいらしていたとか。(詳細はわかりません)
前回よりも凄かったのはまずはまずはコーラス、劇場の群舞(チャールストンの前)も素晴らしかったですが、おそらくS3ロビーの場あたりのコーラスがさすが月組でした。
唄にあるように、豪奢なグランドホテルのロビーに対比しての、はるか地階の流し場、このメリハリはすごいです。もしオペラ由来だとすれば、こうした視点と日常現実はいれないはずですが、ヴェリズモ的な現実感をうまく取り入れています。
そしてオットーもまた、簿記係かつ余命宣告?されている身をよく作品に投影していて、それがクライマックスとラストで美しき人生、Bell vei が他者と一緒に過ごす時間の中にあると気力や優しさを取り戻していく。「私は長く生きられませんから(死にかけている身)」というオットーへの返事「でも、私たちはいずれ死にゆくのよ」と自然に応答するフラムシェン。「生きる」ことと「死ぬこと」は共存関係です。本当にラストシーンと、シャンパンをあけてチャールトンを全員が踊るシーンは素晴らしい。
愛希さんは、タカラヅカのダンスは凄く上手いしあっていると思います、でもやはりバレリーナは少し無理があります。往年のバレリーナという設定なので、それも演技かもしれませんが、上半身がぶれすぎていてアームスから肩に力が入りすぎていて...バーレッスン時にかならず通るところを通過してしまっています。
唄はショーのフィナーレ近くの珠城さんとのデュオはとてもあってます。最後のリフトよりは、劇中のリフトのほうがうまくいっている。
お二人とも演技という面では暁さん同様にまだ...なので、(舞音、NOBUNAGAの時もなのですが、劇的に人が愛に打たれて変化する、という面は見えてきません。)ともあれ珠城さんはTOPお披露目公演、今日で千秋楽ですね。私が見るのは夏の東宝だと思いますけれども。声質というよりも発声、おそらくたまきさんは低温が出にくいのでしょう、キーをあげるとそうでもないのですが、それから台詞まわしもドラマ性が足りないのです...
オットー(初演では主演)の美弥るりかさん、フラムシェンのお二人、朝海さん、千海さん、咲希さん、宇月さん中心にみていました、夏月みやこさんも。
最初電話で予約したときには、満室と断られたオットーが旅立ちの前に「オットー・クリンゲライン閣下にお車を!」(この日はあーさ)のところはとてもシンボリックで、その前のシーンからかなりインプレッションのあるシーンです。感動します、日常の中、人生の中に、「生や他者とのかかわり」が生まれていく。・・・・
おそらく、このグランドホテルの滞在者たちも、世界大戦後にはまた別のところで、あるいは命を落としたり空爆や劇場閉鎖などの経験がまっているのです...いろいろ考えさせられました。

カルーセル輪舞曲
今回はせり上がり部分もよくよく見ることができました。テキーラの部分の男役さんたち素晴らしいです、美弥さん、千海さん、宇月さんと見るほうも嬉しい!
砂漠のシーン(流麗:シルクロード:振り付け 御織ゆみ乃さん)は本当にみなさんうまくて...あのテンポを完全に把握して優美なダンスです。そしてこの影ソロが、白雪さちかさんと輝月ゆうまさん、カゲソロの醍醐味をみました。それにあったダンスをされる美弥ちゃんと咲希さんはじめの女役さんたち。音楽にあっていますし、コンテンポラリーよりはクラシックよりもバレエ振り付けもはいっています。
ニューヨークの場面は、宝塚が女性のためのエンターテイメントとおもってる男性のかたにもぜひ見てもらいたいですね...もちろんブラックホース役の方もクールですが、レディジェントルマンの場に愛希さんと一緒にでている、。8名の方すばらしいです。やはり私にとっては、女役ダンサーさんの場も見どころです。パンフレットより記載しておきます。
憧花ゆりの 夏月都 玲美くらら、白雪さち花、咲希あかね、楓ゆき、美園さくら さん。
ボブの黒髪は咲希あかねさん(ちゅーさん)だとわかりましたが、千海華蘭さんが歌を歌っている間(うまい)に愛希さんの後ろにいる(とおもう)金髪かつショートボブのかたも良かったです。ル・サンク買おうかな。。
テキーラの場面、で定着しつつありますが、メキシコの場面は大好きです。
美弥さんの冒頭から群舞のすばらしさといったら...この場面どこか、(系統は違いますが、花組 GONGA的な両サイドにわかれてダンス対決するような感じで芽が足りません!)
振り付;桜木涼介さん。
ブラジルのシーンも今までで一番良かったと思います。
これもマランドロSの美弥さんはもちろん、マランドロの方々が素晴らしい。
ハットありなので、こちらもお名前を、。
光月るう 朝美絢、春海ゆう、夢奈留音、朝霧真、周旺真広、礼華はる
冒頭の女役さんダンスの部分がハイアーナ役の方でしょうか。ノバ・ボサできそうですよね!
憧花ゆりの 白雪さち花 楓ゆき 晴音アキ 早桃さつき 茜小夏 さん。(だと思う・ル・サンクみましょう...)
みつるさんのポリスとと3人のポリス(響れおな 貴澄隼人 輝月ゆうま)もいいですよね。
みつるさんの舞台写真今度買おう...。
細かいところはまだまだあって、例えば、やはり地階の労働者たちの存在はすごいし(真ん中の方が目についた)グルーシンスカヤに対してコーラスするホテルマンたちの場面も好きですし、やはりさりげなく千海華蘭さんと二人のボーイがデュオでコーラス入れているところもいいですし、チャールストンの時の総ダンスは素晴らしいです。抜粋かダイジェストでも映像に残るといいなあと思っていますけれども...珠城さんのソロ歌がもう少し声が出て通り、歌詞の意味や言葉の情緒、音楽のもつ魅力を反映させられて、愛希さんのお芝居(舞音の時からあまりかわっていない...)がよくなれば、5点をつけたいのですが。やはり、そこは今月初めにみたのと違いがなくて、カルーセルの年末放送を期待して待ちたいとおもいます。
少しでも残らないのは劇団の上演史上勿体ないとおもいますけれども。
飛翔の場(C9A)の場もダンスはもちろんですがコーラスも素晴らしかったです。
思い出したらまた追記します。
いつかのようにまた、パレードのときにステッキもってほしいなあと思っています。
いつかのようにまた、パレードのときにステッキもってほしいなあと思っています。

グランドホテル公演オリジナルカクテル飲みました。(イエローシャトルリューズ入り)
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http://www.nicovideo.jp/watch/sm30007094
1789と月ロミジュリのDVDはお薦めです
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-12-20
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