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古代ギリシア展にようやく行って来ました。東京国立博物館平成館での展示で、この規模のものはアレクサンダー展以来ではないかと...展示室は2階フロアの第一、第二展示室に分かれている。
まずこの展示の構成をみれば、いかに広範囲なギリシア展であるかが想像できるのではないかとおもうので、出品目録の見取り図を記してみよう。
第一会場:第一章古代ギリシャ世界のはじまり → 第2章ミノス文明 → 第3章 ミュケナイ文明 →幾何学様式からアルカイック時代 
第二会場:第5章クラシック時代(古典期)→第6章古代オリンピック →第7章 マケドニア時代 → 映像コーナー→第8章 ヘレニズムとローマ

古典期以前の幾何学アルカイック時代よりさらに以前である、ミュケナイ、ミノス、そして「ギリシア世界のはじまり」から構成され、ヘレニズム、ローマ、およびマケドニアも含む。
(以前、大丸ニュージアムにて、「トラキア展」を観ているとどの時代に金の技術が存在し、それがギリシア世界へと取り入れられたかも理解できるように思う。

この膨大な展示のため、当日再入場可能となっているため、時間の余裕をもってでかけられるとよいと思う。

個人的に気になった展示品をメモしたので、後ほど追記する。


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第1章はおよそ前6500年から全3000年あたりまでの石器時代も含む。この時代にすでにアンフォラがあり、前2000年ころからは銅剣が出土している。(ヒッタイトから鉄器がはいるまでは、銅が中心だが、石の装身具などもある。テッサロニキ、ヴォオロス、マラトン各地の考古博物館からの展示である、個人で観て回るのは大変だから一同に集められているところにも注目したい、地図と地中海の島が年表とが展示室にあるのでわかりやすい。


ミノス文明 
45 <海洋様式のリュトン> 考古額ではさまざまな形をとるが、貝殻を模していることと造形技術に驚く。前1500頃

82 83は パイテュロス(聖なる石)の礼拝を表した印章指輪 ホトニオス・テロン(獣たちの主人)の印章

55 <牛頭式リュトン> 海洋様式との違いは地域により明確になる

56 <奉納用双斧>  キャプションに、ミノス文明ではミニチュア型で精巧なものを作る文化も特色とあった
               つまりは、実用からシンボルや造形美そのものを目的とした制作が行われている?

フレスコも告知カバーに使われている<漁夫のフレスコ画>のほかに、<ユリと花瓶のフレスコ画> など植物を描いたものも出展されている。
とりわけ<オリーブの木のフレスコ画>は色彩もモチーフも美しく、感激している方がちらほらいた。
オリーブなどの樹木の美(ギリシアでの植物樹木への信仰は大きく、初期の神殿は木造であってさらには最初はオリーブや月桂樹、木そのものであったらしい(これは違う文献でかつて調べたこと)
加えて、フレスコ画は、化学反応を利用した顔料定着によって描いたものを保存できる特徴があり、これらも、沙限定ある生に対して、不死性というものにあやかろうとしている価値が読み取れる。
そしてこのフレスコ画の技法はローマへ移り、中世・ルネサンス期のフレスコ画の装飾注文へとつながっていく

このオリーブのフレスコはぜひポストカードにしてほしかった。


第3章 ミュケナイへ続く