
FIRENZE, 大聖堂(デル・フィオーレ・美術館)の福音書記者像。

そしてドナテッロが作成した、ローマ人賢人像。
とくにこの彫刻にかんしては逸話があり「かぼちゃ頭」と愛称があるが、ドナテッロ自身が完成度に満足して「しゃべれ、喋れ」と言ったといわれている。
つまりFirenzeのアカデミア美術館の展示(後半)をみれば顕著だが、13世紀から14世紀にかけて、知者・識者モデルが福音書記者から古代ローマ人になっている。
福音書記者たちは座像であり、ローマ賢人像では巻物を持つ立像である。
この延長上に、ラフェアエロの署名の間「アテナイの学堂」がある。(と思われる)
しかしながら、こうした知者に対する憧憬と図像は、私は単にアナクロニズムやインクレティズムとは思わない。


大聖堂博物館もまた、ほとんど観光客はおらず、しずかな中ミケランジェロやドナテッロの作品に向かい合う時間が持てた。

コメント