

11月7日から20日まで、東京中央区銀座の青木画廊にて、画家、浅野信二さんの10年ぶりの個展が開催されました。場所は青木画廊さん。老舗の画廊で、金子國義さんら多くの画家さんが個展を開いていた画廊です。
日本の文芸と、絵画芸術がもっとも近い時代、青木画廊さんというおお名前をお聞きするとそんな気持ちになり、ちょっと背筋が伸びる気がいたします。
(銀座 ガス灯通り)2階、3階をあがり、2階が企画展のギャラリーで、まずは浅野信二さんの個展へいってまいりました。入った瞬間に、なつかしさと浅野氏が描かれる作品に囲まれたこの空間は、今日一日だけのもの....と
われに返るとため息でした。
実は我々(夫同伴でした、二人とも面識がありますので)がメトロの階段を昇ったら、改札前に、ばったり同じタイミングで銀座駅へ到着したという、二人、いや三人か・・・びっくりしましたもう。
会場入り右手には、新作の<階段>(タイトルがうろ覚えすぎるのであとで聞いて治します)銅板に油彩を描くという佳作のように見えますが、よくよく見ると石材の色、手前の壁の石の色、白大理石が用いられている上方の色から感じる光。みればみるほど、魅力と技術が現れています。
銅板の絵に魅入っていましたら、浅野さんが製作時のお話をしてくだしました
銅板は下処理をしても、もとの金属のもつ反射が強いので、きつもよりも光の部分が強くでるような仕上がりになっていいるみたいです。そうなのか!と言われてみれば、鑑賞していくと、建築の石、階段、布・・・こうしたものの色彩と建築の絵としても、光の加減が複雑な絵画(ビーダ―マイヤー期とその前後などに、たまにそうした絵があり、私は引き込まれていることが多いのですが・・・これはあとで図録をだして探せたら記載しますね)
小説 『ゴーメントガースト』新装版のための4部作品は、昨年の東京交通会館にて拝見していましたが、そのときは個別額装はなさっていなかったので(受付のすぐ横に浅野さんの作品がありました)、今回4作品に分割しての展示連作ということで....本当にじっくりみるころができました。
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彼方ー浅野信二展(2015.11/7~20)作品リスト
-シリーズ「A World Away」 A4サイズx4枚の連作 2014
・I タイタス・グローン 29.7x21cm パネルに油彩・アクリル
・II ゴーメンガースト
・III タイタス・アローン
・IV タイタス・アウェイクス -
トリプティク「時の谺」 M12号x3枚の三幅対 2012
・左翼「ムネモシュネの街」41x60.6cm カンバスに油彩
・中央「谺の涙」・右翼「回帰」
・私以外のすべての部位 45x85cm 2015
・メランコリア S4 カンバスに油彩 2015
・REQUIEM F4 カンバスに油彩 2010
・谺の涙 F4 カンバスに油彩 2012
・小夜啼鳥 F4 カンバスに油彩 2012
・阿呆船 F3 板に油彩 2015
・予定説 F3 パネルに油彩 2008
・白鳥の騎士 25x17cm 板に油彩 2007
・牢獄 18x12(額SMサイズ)銅板に油彩 2013
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作品を視るのに必死で(ためいき)案の定作品とタイトルをちゃんと記憶できなかったため、浅野氏に作品リストをお尋ねいたしました。
ご本人さまより回答いただきましたので、記載させていただきます。
(そしてまた感想を追記いたします....最終的にはちゃんと文章にまとめたい)
本来は10日の時点で、場所確認、全体を見渡すほどの来訪を考えていました。
結果20日最終日に拝見することとなり、大好評のオリジナルサイイン入り缶 ポストカードセットは完売。
私は浅野さんにご連絡させていただきまして、取り置きいただきました。
感謝です。
我が家の部屋にある絵画。<天使>もポストカード化されていました!ザロフ(初台)で観た、フランスの聖堂内での彫刻付き棺とマニエリスムな身体をよじった身体ならざるもの。
このモチーフは大好きで、光と影の部分、薄く塗られた画法、建造物の室内の彫像なども含めて気になっていてしばしぼうっと立ち尽くした作品だったので。ポストカード、嬉しいです。
お待たせしたらいけないと、メトロに乗った状態で、だいたいの到着時間をおしらせはいたしましたが、なんと改札前の階段のぼったところで、本当に!!ばったりと浅野信二さんにお会いいたしました。
私はフォルトゥナ論も好きでいろいろな時代の分析をしてますが、・・・偶然は存在しない、必然に近い偶然、また時の女神と運命の女神の悪戯なのか、とにかくうれしくなってお話すつつ、最終日である青木画廊さんへ。
浅野さんは10年前にも個展をこちらで開かれています。
(そのときのチラシ、葉書にはサイイン入りで頂戴したものをいまも大切にとってあります。
語彙っしょに島田ビル、老舗の画廊さん、青木画廊で。

浅野さんがお使いになっているもの、そして自作した顔料、顔料を絵具にまでするまでの工程。そして道具。
アトリエ再現コーナーは目からうろこでした。
顔料をオーブンで焼いて、市販品の顔料にはない、黄色(黄土の色)などを自作されていらっしゃる。
顔料は素材にもよるが長いと、大理石の上でひたすら練る作業を行う。
自作した顔料からくられた絵具は空チューブにしまうことで、創作時大変に苦労が減った。
鉱物で絵具を大理石の上で練るときの石、ガラスの動揺の器具など手にとってみて、本当凄いなと思いました。
だからこのあたりで熊田先生の書かれたことを思い出したのかも。
修復作業をおこなっているイタリアやFirenze、またその他でも歴史画やフレスコを修復する技術者がいる町にはこうした顔料は売られていて、それを少しずつ使われているとのこと。
並べられた上のたなの右サイド3瓶くらいの瓶のラベルは浅野さん自作だそう!
拙宅の作品のクレジットの部分のラベルも作っていただいたことがあるので、これは浅野さんのクオリティ、とわかってしまうのが、絵画ファンです(自分)
本当にいいものを観るととってもいい意味での、本来的な意味での嘆息、憧憬、かつ技術や書かれた世界のことなどどんどん考えることが増えています。
ひとつだけいいたいことは。自分というものを中心に据えられる時代になってからの、初めての、歴史画家であること。
歴史画家は、建築。風景、人物、動物。生物、また神々、プットー、エンジェルたち、神と使途、ヴァザーリの時代となれば人と神と間英雄など、多いな技術が追及された時代だと思います。
今回浅野さんの絵画をみていてそのことを思い出していました。
マニエリズム、ロッソ・フィオレンティノの時代からドイツドマン主義たちの絵
画家には当時ランクがありますが。浅野さんの作品は、歴史画に限りなく強いのです。
(休憩)
続きは少しあとで。
もう少し言葉を足していきたい。


浅野さんと、今回の個展のハガキにもなっていた新作の作品
ザロフで観て、聖堂での作品を彷彿されます。(この作品は絵葉書集に入っていて、一度しか見られなかったので感激でした)

連作のうち、1番目と3,4番目が魅入ってしまいました。。。

郵送でもサイン入りのご案内を貰っているのに、表面にもサインをいれていたきました。
とても絵画作品になじむようにさらっと。。。入っております。

私が時間をかけてみていた階段(牢獄?)の室内のみの建築と光、素材感を描き分けていき構図もとても面白い作品。銅板に油彩という点がまた。なんども観に行ってしまいまいした。
そして、浅野さんがご説明してくれました。

2年半くらいフランスの展示でずっと日本にはなかった三部作品。
昨年、国内に戻ってきたので、日本初公開の三部作です。
このあと、店主の青木さんからお茶を出していただき、会場の椅子に少し座ってみたり、正面から作品をみたり、近づくことで観られる薄もやのなかにうきあがるような、背景の奥にある、霞のおくの背景も近くだと見入ってしまいます。
ほんとうに飽きることがない。
光、水辺、それらを私たちが、実際の自然を目にしたときと同じ感動を得るような表現(本来の自然主義)その系譜もありつつ、私が今年これだけの作品を描く浅野さの作品は、ほぼ理想に近い...と思って銀座の街に向かいました。夫も同感だったようで、帰宅後、翌日もその話をしていました。
・シュルレアリスムの作品構成力と過去のロマン主義とマニエリスムの良い部分を継承しつつ、日本人がもつ自然からの発見をもつ画家さんだと思います。
・かつて絵画芸術は、背景である建築物(遺跡、館、すべての建造物)を描き、神々や人の一番面(主題)を描き(もっと主題を小さく書いたのは、クロード・ロラン、フリードリヒ等のドイツロマン派)素材の質感を描くことができる(このテクニックのを追及したのは静物画で、かつ、それは肖像画家にも求めれた)・・・これらの技術と風景を描くことは、「歴史画家」と言える。こうした絵画が描け、自ら、感性から視たひとに、光や水面・・作品全体から流れるゆっくりとした時間・・・これが浅野さんの絵画の魅力だと改めて感じます。
美を発見し、それに嘆息することはよくある
詩をどこかにもっている人間にとっては
見出された風景や自然がテーマによって新たな生命をえていること、構成力にマニエリスムとドイツロマン主義の良い部分が描かれていることが新鮮かつ感動する。
・自然主義とマニエリスムの光と影、テキストにのみ、あるいは実現不可能な風景と主題を、自作の絵具で美しく繊細に描く画家さん。
本当に長いしてしまいた。
店主の青木さんご夫妻にもたくさんお話をさせていただいて。
またつぎの展示も愉しみに。
また追記させていただきます。

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