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舞台「過日」(かじつ)あうるすぽっとへ観に行きました。私が、観に行ったのは14日昼公演、収録日です。

るひまわりさんの舞台「るフェア」(DVD)観て知った源範頼役だった荒木健太朗さん、同じく源行家役だった植田圭輔さん、俺の地図帳や戦国鍋で知った小谷昌太郎さんが出るということと、あうるすぽっとには行ったことがなかったので、観ようと思いチケットをとったお芝居です。
小谷さんは地図帳の横浜公演で初めて観ましたがお芝居で観るのは初めてでしたし、荒木さんの舞台も1月やその次も行けなかったので明治座以来です。植田圭輔さんはる・フェアのあとに、朗読で夢野久作をされたというのが気になっていて、いずれ生のお芝居を観てみたいと思ったのと、るコンでのDVDとオンライン放送でコメントは観ていたので今年は何か観られてばいいなあと思っていました。

少年犯罪を過去に関わった当時未成年の少年たちが成人し、そのうちの一人がそのことを小説に書くということで出版社、メディア、加害者、被害者のそれぞれの立場から、過去と現在をめぐる「事件」と「事実」「真実」を描く舞台です。とてもリアリティあるお芝居でした。小谷さんの演技がリアリティと生の感情で、荒木さんの演技やセリフもとてもダイレクトでした。最後のシーン近く、過去にそれぞれ向き合うシーンでのアイスピックを(まるで無意識においつめられているかのような緊迫感)無言のまま扱うところなど、私は前の方の席で観ていたのでなんとも緊迫感が凄かったです。事実を扱う主題なので、役者さんたちの表情をもっと見たいような、でもオペラグラスを使うのもはばかられるくらいの緊迫感でした。植田圭輔さんのお芝居も、眼の表情が底知れないものがあり、この方を稽古場でずっとみていたら、朗読などの文学作品もやられるのがわかるように思えました。出ていた方すべてが台詞が聞きやすかったです。荒木さんの声の出し方と言葉の表現が凄かった...るフェア、る典の高山右近では見られない演技でした。本当に観に行って良かったです。

当日風邪気味で(前週の雨からどうも移動中の気温差で微妙な体調になっています、現在も)そのために微熱と疲れでとにかく直にいけぷくろに行きまして。ふらふらしつつ観劇しました。それにしても、やはり映像でも見せられる方の舞台上のエネルギーは凄いものがあります。

少年犯罪、メディア...いずれも難しい問題です。ある事実はそこにいた人たちで共有されます、どこからが無関係なのか。メディアは、時と場所が離れた人にも事実をつたえようとしますが、そこにはギャップが起きてしまう。そしてそれを観て判断を下すのはその当事者たちから無関係な人たちです...通常の犯罪もおそらくは、事実が介されるだけで、被害者と加害者は無関係なことが多いかもしれない。しかし少年犯罪とは、日常の中で起きることがあって、家族、学校または地域などと無縁でないのに、一種切り離されたところで生まれてしまう。
デリケートな問題でありながら、普段は取り上げられることがすくなく、事実は小説より奇なり、故に報道されるときにはバイアスがかかり・・・死者に弁明はできない。死によってあらゆる可能性からも閉ざされた人と、あらゆる未来に関わってしまいながら、自立できていない状態の危うさ。仮に死にいたらないまでも日常の下で、沈黙のための沈黙のために犠牲になったり声をたてられない人も多いだろう。簡単にメディアに巻き込まれてしまいがちな現代の問題がとてもダイレクトに書かれていたと思うし、こうした舞台を通じてわかることも多い。

感想が遅くなりました。けれどもこの舞台も終わってからじわじわと各場面が再生されてきます。
観に行けなかった方も多いとは思うので、上記の役者さんのファンのかたはDVDを観たらいいのではないでしょうか。この舞台、とにかく見届けたいという気持ちでいきました。

るひまわりさんの東京芸術劇場(中劇場)「黒いハンカチーフ」のチラシを頂きました。矢崎広氏主演。

慌ただしいなか週明けになってしまいまして、慌ただしく観に行ったのですがその時間はとても濃密だった。
休憩なしなのは意匠としてはとてもわかるのですが、ストーリーや役名を確認できないので5分でも休憩があるとよいです。実は。

帰り途は前週の悪天候がうそのような夕暮れ。彼岸花の赤に、このお芝居のフライヤーで効いていた赤色が、雲の茜色に重なった日でした。

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日常の風景、時間の感覚をつきつめたような緊張感と舞台をみたあとの静かな時間。
体力がかなり!限界に近かったのですが、あうるすぽっとがいい劇場でしっかり観られました。観ることに体力を使い果たしましていまようやく舞台をあらためて思い出します。凄かった。

過日のポスターは写真にとってきましたが、チラシが欲しかった!

黒いハンカチーフの写真はまた違う機会に掲載したいです。

無事に観に行くことができてよかった公演。