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時間が空いてしまったのだが、3月21日午後に早稲田大学 大隈講堂にて行われた中川武教授(理工学部)の最終講義(のちにシンポジウム)へ参加した。
卒業生の家人がFBと大学からのお知らせで知り、建築史ならば拝聴したいと思い、早稲田へ。
一般約1000名の参加者も含めて会場は満員でした。

原広司氏の記念公園では「集落の発見」というテーマで、集落を訪れたときの図面を実際につねにひいて残していることが興味深かった。集落は建築とは違い、消えていくもの、その意味でも注目しているということ。
中川武教授は、理工学部から世界の建築を研究しており、実際にアジアの遺跡を復元工事しにいっているという活動をされているという。
ラヴェンナ(聖アポリナス聖堂 530-549)、シエナのゴシックの聖堂、などの後に、私はフィレンツェ・ルネサンス(プロトルネサンスーマニエリスムまでが専門なので)のデル・フィオーレ聖堂(ドゥオーモ)がうつったときには、感極まってしまった、そのくらいブルネレスキとデル・フィオーレ、あるいはサンタ・マリア・ノヴェッラには思い入れがあるのだが・・


中でも興味深かったのは、平安建築の光の反射を計算した、建築について。
広縁は外部と内部を閉じないでつなぎ、そこは光がたゆたう特殊な空間として計算しつくされている。
大津市 園城寺光浄院客殿 (1601年)
醍醐寺五重の塔 (京都 10世紀)

シエナ大聖堂 (サンタ・マリア・アスンタ 12世紀後半ー1382年)
平等院鳳凰堂 京都 11世紀前半
妙喜庵茶室待庵 (京都 1582)← じゅうごやに
大津には2年前に行っているのにこの園城寺についてはこの日初めて知ったのだが、たしかにこの時代の光のバロックともいえる光の存在感は常々疑問に思っていたのだった。
平安建築と、実際に修復されているアンコールワットについて、フォーカスしてまた講演を聞いてみたいと思えた。
13:00からという案内だったのだが、講演自体は13:30くらいから始まったので、その間に、この研究室の方が作られた建築の映像とBGMがかかっていた。
このBGMの中にレディオヘッドのピラミッドソング("KIDA"より)がかかっていたので、こちらにもリンクしておきます。講演も、古代の有心空間としえジュセル王階段ピラミッド(第3王朝)エジプト・サッカラ(BC2650)からはじまったので、それと相まって印象にのこっている。
私は美術史の範疇でこの分野を学んだが、理工学部で建築史を学ぶということも興味深く感じた。


18日朝に帰国し(バリーシンガポールから)20日に英国大使館公邸へ(Food is Great)、そして21日にこの最終講義に行ったのだが、中川武教授が「バリ島の建築は本当に自然との調和、伝統等考えるとちょうどいい」とコメントしていらしたのをよくおぼえている。
自分も今回二度目のバリ島へいったのだが、そのような気持ちで帰国したばかりだった。
当日は中央公論美術社や青土社の書籍、論文集についてのお知らせも配布資料にあったので改めてみた。
「日本の古建築」の帯にかかれている文は次のとおり。
「優れた日本建築の佇まいや風情は、一見よそよそしい。しかしあっさりと感じ取られるものほど、空間の使い勝手と全体のせめぎ合いが、細部の痕跡や空間の構成形式のなかに、表現されている。その表現と豊かさを抒情的かつ大胆に読み直す、唯一無二の建築論。」
法隆寺 唐招提寺 浄土寺浄土堂 三仏寺投入堂 待庵
これは新幹線の中などで読みたい。
ロス・キングのこの本は英語版も持っています。(Firenzeの大聖堂付属美術館付ブックショップで購入)
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