今日、学術 芸術 パフォーマンスアートを含めアーカイブ化が進んでいる。
テレビ、ラジオ公共放送がはじまり、90年。

http://www.nhk.or.jp/bunken/forum/
JOHAからの情報でNHK文化研究フォーラムに参加してきました。
(事前申し込み制 定員制)

かつてメディア(マスメディア)は、人々が直に接していない日常や事柄を媒介し、共有するものとして機能した。
視聴率が80%を超えるような時代は、むしろマスメディアによって「国内」があたかも統合されているような感覚だったのではないか。と思うことがある。
視聴者もライフスタイルもかわり、多様となり、雇用形態もさまがわりした。
生活圏と職場ははなれ、職住分離もおこる。

さて、二つ疑問があったので書き留め、のちに追記したい。1952年の実験放送時の舞台セットやカメラがとらえるものは、2009年11年のドラマにもつうじる、むしろ1952年が雛形があるというお話。

反射的に、ではこの映像を観る側(視聴者)は、同じような心性で眺めるのだろうか。
それともあまりにも変化した日常環境やテレビを取り巻くなか、「変わらない日常のようなもの」を、ドラマをとおして、「変わらないのですよ」、と伝えたいのだろうか。
実際には変わっている事柄が多いのだが、変わらない、という統合の作用と了解があるのではないか、とも思った。しかもそれは、指摘されなければきわめて自然なのある。

アーカイブ化は70年代以降はまだこれからであるというし、制作全てにかかわる美術というセクション、メイキングと制作日誌を兼ねた、スタッフとキャストのコメントを必ずのこすようにする、こうしたことが習慣になるだけで、アーカイブも残しやすくなるという話をきけた。

アーカイブとはまさに、自覚的に記述し記録しその価値を保存する。
だから何を残して何を保存するかということもある程度決めなければならないだろうし、・・・大抵の場合、必要なときに必要な情報がないため、本来は「残余の物」と思わしきものが本質だったりもする。
つまり我々に、とっては自明なのだが、すぐにそれは特殊なものへ移行するし、自明なもの日常なものほど記述保管されないからである。

アーカイブはいまさまざまな団体が取り組んでいる。
公開はいくつか段階をもうけつつ、公開利用しやすくすべきだ。
もし税や視聴者から調査保存されたものは原則公開である。(国際標準的にはそうである)
パブリックだからある程度意味があるのであって、こうしたことなしの10年後を想像すると、アーカイブ事業の推進は急務のように思う。
オーラルヒストリー学会会長の好井先生も話されていたが、NHKは視聴者モニターを募集してもよいのではないか。

NHKオンデマンドなどもシステムはあるが、まだまだ利用は少ないだろう。
しかしリアルタイム性質(要するに番組表の進行どおりのリアルタイム)と、再放送、リクエスト放送、もしくはオンデマンドのコンテンツなどが必要だろう。オンデマンドが利用されるには、公式のPVなり予告が必要になる。
それらは公式故にシェアされるし、おそらく国外を超えて日本の番組が発信されることになるのだから、些細なことだが、実のところ効果は高い。そういうコンテンツはたくさん・・・とても多く持っていると思う。
これをどう生かすか、単に埋もれされるか。
番組販売を行っている地方局のほうが斬新さをもっていると思うのはそういうことでもある。

オーラルヒストリーの立場でいえば、それは「証言」という固定されたものではなく、ここにもあそこにも事柄にかかわった人がいる、彼らはどんな体験をし、どんな思いが残り、そして今に至っているのだろう・・・というまさに当事者性に迫るのであって、質的調査とはそういうものである。
オーラルヒストリーから、アラウンド、周辺とその当事者がもつ生きた体験が形成されると思う(されねばならないとうことではない)質的調査というのは、数字には反映されにくい、クオリティの部分である。
例えば、震災後の鉄道復旧率が80%と仮にされたとしても、実際には、断線している部分も多く、80%回復という意味にはつながらないことなど。
プレスが行数や秒単位、分単位で縮約するものを、なるべく生で語る。

この日は東京大空襲で自宅が焼けたという体験をもつ祖母の入院見舞いに行ってきた。

今年の正月は、空襲後にどのような足跡で都内から逃れ、そして東京にもどったか。
直前の都政や批難(疎開)とはどのようにリアルタイムで変わっていったのか、
そういったことをあらためて詳細に聞く機会があった。

オーラルヒストリーで私が関心をもつのは戦争に関すること(あるいはジェノサイドにおけるメカニズム)、(黙殺されがちな)子どもたちのライフストーリーである。




行事についてはまた追記します。


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