2月27日午後、六本木アカデミーヒルズにて行われたオープニングイベントに出席してきました。駐日英国大使館からのご招待で基調講演、セミナー、ケンブリッジ公爵殿下も出席されてのセレモニー、レセプションに参加。
「駐日英国大使館では、UKイノベーションと日本とのパートナーシップをテーマに、Innovation is GREAT〜英国と創る未来〜と題して、2015年の1年間を通してさまざまなイベント、講演、ワークショップを日本で開催いたします。
ケンブリッジ公爵殿下の日本訪問に際し、本キャンペーン、オープニングイベントを開催いたします。」
(公式文から一部編集)
産民学が取り組む、イノベーションと技術、産業、環境対策についての基調講演セミナーはどれも興味深く、いずれも未来志向かつ問題点が分析され研究と産業に生かされていると感じました。
具体的に言えば、オープンデータの利用、低コストで高技術なイノベーション、誰もがアクセス可能といった具体的な目的が定められており、新しい技術と新しい会社が成長しているということ、技術協調によってより付加価値のある新しい技術開発が可能であるという例が数多く紹介されました。
後ほど詳しく書きますが、例をあげると日産リーフと自動運転システム、英国生まれの鉄道技術に日本の新幹線技術を協調、日立とのパートナーシップといったすでに稼働しているものの紹介。
またダイソン・アワードを受賞した若き技術者ジェイムズ・ロバート氏が開発したMOMが大変印象的だった。
空気注入式による、保育器はどこからイノベーションされたのか。
彼は、シリアの現状をとらえたドキュメンタリーから、ウガンダの例も参照し、途上国や災害地域といった危険な地域での未熟児死亡率を問題視して、環境がととのっていない状況でも使える保育器を開発したとのこと。
ソーラー発電を備え、緊急時には自動車のバッテリーでも電源を得ることができ、通常の電源から使用でき、飛行機の手荷物サイズに収まるためにどこへでも設置可能であり、極めて低コストで使えるものが必要であると考え、それを開発した。大学では100の試作品を作ったそうだ。大学は試作品をつくる環境を提供してくれた、とコメントされていた。
シリアの例では、こうした緊急事態を放置すると、一世代の75%が死に至るということが起きており、そういったことは他の地域でも起こりうることであり、実際に起こっている。こうした現実に対応していることがイノベーションにつながっている。
スピーチも明快で、印象深かった。また彼は自分の会社も設立して2017年に発売することが決まっているとのこと。
必要は発明の母という言葉はその通りなのだという印象と、専門技術が何に活かされ得るのか、技術が何を可能とするのかといった問いにも応えるような公演。
ダイソンからは新しい家庭用自動掃除機が発売されるとのことでした(日本でも発売されるとのことです)
医療技術、宇宙衛星、ロボット工学と自律システム、ビックデータ(オープンデータ)についての講演もどれも興味深かったので、記事を二つに分けるつもりです。レセプションでもいろいろな話題が出たのでそれもあわせて記事にします。
当日のプログラム
14:00 アストンマーティンCEO アンディ・パーマー氏 開会の辞
Master of Ceremonies Andy Palmar, CEO of Aston Martin
14:15 基調講演 オックスフォード大学総長 アンドリュー・ハミルトン教授
Professor Andrew Hamilton, Vice Chansellor of the University of Oxford.
「イノベーションのエンジンとしての大学」
14:25 MOM Incubators Ltd クリエイター・創立者
2014年ダイソンアワード 国際最優秀受賞者ジェームズ・ロバート氏
James Roberts creator and founder of MOM ,
international winner of the 2014 James Dyson Award
14:40 RU Robots Ltd. CEO ジェフ・ペグマン氏
「イノベーションと新興テクノロジー 政府・ビジネス・アカデミア」
Geoff Pegman CEO of RU Robots Ltd
" Innovation and emerging technologies- gaverment, business and academia
写真は義指のロボット、指のない人がカスタマイズできる義指をもつことができる、
他に放射能汚染のある場所などで稼働するロボット等、数多くの事例を紹介。
同時にロボット技術がもたらす革新はある意味では破壊的な部分が出てくることが想定されるためにそれも同時に考えていることが強く印象に残った。
15:00 サウスハンプトン大学人工知能学教授 ナイジェル・シャドボルト教授
The Open Date Institute会長共同創立者
「データが社会を変える データ駆動型イノベーション革命」
Sir Nigel Shadbolt Chairman and Co-Founder of the Open Date Instute
and Professor of Artificial Intellifence at the University of Southampton
How date is changing society a data driven innovation revolution
オープンデータに関する公演はとても興味深かった。
クローズドな情報をいかに公開していくか、有料のものをいかに低コストあるいは無料で提供するか。
例えばwwwは最初はアメリカ軍の秘密情報だったがそれ現在のワールド・ワイド・ウェブにしたのであり、乗り換え情報など生活に密接なところで現在はそれらは無料化されているのは実感されているだろう。
時間と経費の節約がより価値を生むという観点。
病院の死亡率などが公開されれば、人々は選択することができるし、病院の行動を変えることが可能となるといった例、犯罪の情報が公開されれば、人々の関心や防犯意識、または保険会社も対応を考慮するなどいったことが可能となる。
こうした議論はまだまだ国内ではされていない。
政府が税金を使って集積したデータは公開されねばならない、それによって政治家の説明責任も明確になるといった具体例が興味深かった。
英国はオープンデータに関しては世界第一位。
日本は現在、19位で18位に韓国、20位がイスラエルという決して情報開示においては先進国とはいえない状況です。これらがどのように変わっていくかによって、今後10年の社会も経済も影響が出ると私は思います。
このサー・ナイジェル教授の講演のあとに、ケンブリッジ公爵殿下が会場へ!
宇宙飛行士の野口聡一氏とアンドリュー氏、ケンブリッジ公爵殿下による酒樽をわるセレモニー。
アンドリュー氏は、日本において新しいことを始めるときに行う儀式です、と説明。
割るときにお酒が飛び散るかもしれないので・・・とケンブリッジ公爵殿下にもはっぴを配るアンドリュー氏。
このときの模様が、夕方のニュースで放送されたようですね!
帰宅後、家族から聞きました。
写真はその場面とレセプション会場でふるまわれた松竹梅のお酒です。
ますがとてもいい香りで、日本酒はこうしたますで飲むとさらに豊穣さを象徴するものなのだなと実感。
後でレセプション会場で聞いたところ、伏見でつくられたものとのことでした。
そのあと記念品の交換を野口氏とケンブリッジ公爵殿下が行いました。
15:20 Innovation is GREAT campainghスタートセレモニー
JAXA宇宙飛行士グループ長 野口聡一氏
15:35 Surrey Satelite Technology Ltd (SSTL)常勤会長 SSC所長
マーティン・スィーデング卿
「新しい宇宙の経済学 インターナショナルコラボレーションとイノベーション」
Sir Martin Sweeting Exective Chairman of Surry Satelite Technology Ltd(SSTL)
and Directorof Surrey Space Centre (SSC)
宇宙開発はインターナショナルな中で行われる時代、費用負担も分担できる。
現在の衛星はかつてマイクロバス一つ分くらいあったが、いまや食パン一斤分くらいの小ささになった。
ナノテスト、33年間で43個の小型衛星を打ち上げてきたこと、国際パートナーにより、航空旅客機くらいの低コストで可能となってきたことなど。
重要なのはこれらの講演とセレモニーが始終なごやかでユーモアに富んだ、しかし非常にインテリジェンスかつ分かりやすい言語で語られていたことです。
講演は、同時通訳が利用できましたので、資料とスピーチに集中できました。
よい環境での講演やセレモニーの場に出席できましたこと、感謝いたします。
アカデミーライブラリー・カフェに移動してのレセプションにも出席しました。
少し長くなりましたので、記事を分けて書いていきたいと思います。


「駐日英国大使館では、UKイノベーションと日本とのパートナーシップをテーマに、Innovation is GREAT〜英国と創る未来〜と題して、2015年の1年間を通してさまざまなイベント、講演、ワークショップを日本で開催いたします。
ケンブリッジ公爵殿下の日本訪問に際し、本キャンペーン、オープニングイベントを開催いたします。」
(公式文から一部編集)
産民学が取り組む、イノベーションと技術、産業、環境対策についての基調講演セミナーはどれも興味深く、いずれも未来志向かつ問題点が分析され研究と産業に生かされていると感じました。
具体的に言えば、オープンデータの利用、低コストで高技術なイノベーション、誰もがアクセス可能といった具体的な目的が定められており、新しい技術と新しい会社が成長しているということ、技術協調によってより付加価値のある新しい技術開発が可能であるという例が数多く紹介されました。
後ほど詳しく書きますが、例をあげると日産リーフと自動運転システム、英国生まれの鉄道技術に日本の新幹線技術を協調、日立とのパートナーシップといったすでに稼働しているものの紹介。
またダイソン・アワードを受賞した若き技術者ジェイムズ・ロバート氏が開発したMOMが大変印象的だった。
空気注入式による、保育器はどこからイノベーションされたのか。
彼は、シリアの現状をとらえたドキュメンタリーから、ウガンダの例も参照し、途上国や災害地域といった危険な地域での未熟児死亡率を問題視して、環境がととのっていない状況でも使える保育器を開発したとのこと。
ソーラー発電を備え、緊急時には自動車のバッテリーでも電源を得ることができ、通常の電源から使用でき、飛行機の手荷物サイズに収まるためにどこへでも設置可能であり、極めて低コストで使えるものが必要であると考え、それを開発した。大学では100の試作品を作ったそうだ。大学は試作品をつくる環境を提供してくれた、とコメントされていた。
シリアの例では、こうした緊急事態を放置すると、一世代の75%が死に至るということが起きており、そういったことは他の地域でも起こりうることであり、実際に起こっている。こうした現実に対応していることがイノベーションにつながっている。
スピーチも明快で、印象深かった。また彼は自分の会社も設立して2017年に発売することが決まっているとのこと。
必要は発明の母という言葉はその通りなのだという印象と、専門技術が何に活かされ得るのか、技術が何を可能とするのかといった問いにも応えるような公演。



ダイソンからは新しい家庭用自動掃除機が発売されるとのことでした(日本でも発売されるとのことです)
医療技術、宇宙衛星、ロボット工学と自律システム、ビックデータ(オープンデータ)についての講演もどれも興味深かったので、記事を二つに分けるつもりです。レセプションでもいろいろな話題が出たのでそれもあわせて記事にします。
当日のプログラム
14:00 アストンマーティンCEO アンディ・パーマー氏 開会の辞
Master of Ceremonies Andy Palmar, CEO of Aston Martin
14:15 基調講演 オックスフォード大学総長 アンドリュー・ハミルトン教授
Professor Andrew Hamilton, Vice Chansellor of the University of Oxford.
「イノベーションのエンジンとしての大学」

14:25 MOM Incubators Ltd クリエイター・創立者
2014年ダイソンアワード 国際最優秀受賞者ジェームズ・ロバート氏
James Roberts creator and founder of MOM ,
international winner of the 2014 James Dyson Award

14:40 RU Robots Ltd. CEO ジェフ・ペグマン氏
「イノベーションと新興テクノロジー 政府・ビジネス・アカデミア」
Geoff Pegman CEO of RU Robots Ltd
" Innovation and emerging technologies- gaverment, business and academia

写真は義指のロボット、指のない人がカスタマイズできる義指をもつことができる、
他に放射能汚染のある場所などで稼働するロボット等、数多くの事例を紹介。
同時にロボット技術がもたらす革新はある意味では破壊的な部分が出てくることが想定されるためにそれも同時に考えていることが強く印象に残った。
15:00 サウスハンプトン大学人工知能学教授 ナイジェル・シャドボルト教授
The Open Date Institute会長共同創立者
「データが社会を変える データ駆動型イノベーション革命」
Sir Nigel Shadbolt Chairman and Co-Founder of the Open Date Instute
and Professor of Artificial Intellifence at the University of Southampton
How date is changing society a data driven innovation revolution


オープンデータに関する公演はとても興味深かった。
クローズドな情報をいかに公開していくか、有料のものをいかに低コストあるいは無料で提供するか。
例えばwwwは最初はアメリカ軍の秘密情報だったがそれ現在のワールド・ワイド・ウェブにしたのであり、乗り換え情報など生活に密接なところで現在はそれらは無料化されているのは実感されているだろう。
時間と経費の節約がより価値を生むという観点。
病院の死亡率などが公開されれば、人々は選択することができるし、病院の行動を変えることが可能となるといった例、犯罪の情報が公開されれば、人々の関心や防犯意識、または保険会社も対応を考慮するなどいったことが可能となる。
こうした議論はまだまだ国内ではされていない。
政府が税金を使って集積したデータは公開されねばならない、それによって政治家の説明責任も明確になるといった具体例が興味深かった。
英国はオープンデータに関しては世界第一位。
日本は現在、19位で18位に韓国、20位がイスラエルという決して情報開示においては先進国とはいえない状況です。これらがどのように変わっていくかによって、今後10年の社会も経済も影響が出ると私は思います。
このサー・ナイジェル教授の講演のあとに、ケンブリッジ公爵殿下が会場へ!
宇宙飛行士の野口聡一氏とアンドリュー氏、ケンブリッジ公爵殿下による酒樽をわるセレモニー。
アンドリュー氏は、日本において新しいことを始めるときに行う儀式です、と説明。
割るときにお酒が飛び散るかもしれないので・・・とケンブリッジ公爵殿下にもはっぴを配るアンドリュー氏。


このときの模様が、夕方のニュースで放送されたようですね!
帰宅後、家族から聞きました。
写真はその場面とレセプション会場でふるまわれた松竹梅のお酒です。
ますがとてもいい香りで、日本酒はこうしたますで飲むとさらに豊穣さを象徴するものなのだなと実感。
後でレセプション会場で聞いたところ、伏見でつくられたものとのことでした。
そのあと記念品の交換を野口氏とケンブリッジ公爵殿下が行いました。
15:20 Innovation is GREAT campainghスタートセレモニー
JAXA宇宙飛行士グループ長 野口聡一氏
15:35 Surrey Satelite Technology Ltd (SSTL)常勤会長 SSC所長
マーティン・スィーデング卿
「新しい宇宙の経済学 インターナショナルコラボレーションとイノベーション」
Sir Martin Sweeting Exective Chairman of Surry Satelite Technology Ltd(SSTL)
and Directorof Surrey Space Centre (SSC)
宇宙開発はインターナショナルな中で行われる時代、費用負担も分担できる。
現在の衛星はかつてマイクロバス一つ分くらいあったが、いまや食パン一斤分くらいの小ささになった。
ナノテスト、33年間で43個の小型衛星を打ち上げてきたこと、国際パートナーにより、航空旅客機くらいの低コストで可能となってきたことなど。
重要なのはこれらの講演とセレモニーが始終なごやかでユーモアに富んだ、しかし非常にインテリジェンスかつ分かりやすい言語で語られていたことです。
講演は、同時通訳が利用できましたので、資料とスピーチに集中できました。
よい環境での講演やセレモニーの場に出席できましたこと、感謝いたします。



アカデミーライブラリー・カフェに移動してのレセプションにも出席しました。
少し長くなりましたので、記事を分けて書いていきたいと思います。
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