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    SOFTBALLETの記事でも触れましたが、フリッパーズ・ギターを知ったのはポリスターがおすすめする90年代のアーティスト・キャンペーンのCDでした。
    ですから「海の行くつもりじゃなかった」の発売直前の1か月という気がします、そう考えると89年の秋以降でしょうか...各レコード会社から1アーティストずつ1曲紹介されたキャンペーンCDを店頭で貰ったのだと思います。
    当時はCDショップで視聴できるのもタワーレコードくらいでしたから渋谷タワレコは聖地でしたよね。
    今はどれだけ認知されるか=実数の再生という形態をとっていて、その認知度で資本が動くという、レディガガがいうところの「ART POP」になっていると思います。以前は、バタイユ以降の「呪われたもの」、消費に転換されるポップアート批判が有力でしたし、私も基本的にはそれに同意していたのですが、かといって現状を観なければならないでしょうし。(このあたりは、コジェーブが1959年以降に来日して述べている、歴史以降の考察とあわせて漠然と考えるところでもある。G.アガンベンが「開かれ」で引用している通り。)

    フリッパーズギターに話題を戻すと、私は彼らのライブに一度もいかないまま突然3rdアルバムで解散したため、コーネリアスのPOINT(渋谷EX)に行けたときは感無量だった。
    かといって、多くの人が口にする再結成してほしいとは一度も思ったことはない。
    過去の作品は過去の作品として受け止めるべきだし、自分の思い入れをアーティストに重ねるのはそれほどいいことだとは思わない。同じ体験が繰り返し可能なのはメディア化されたCDやライブ映像、PVなどであり、アーティスト自体に同じ地点をもとめようとは私は思わない。

    それだけに、1stから3rdアルバム、それとそこに含まれないカヴァー曲等ライブ音源なども思い入れがあり、かといってライブ体験したわけでもないという、完全にポップアイコン化したアーティストがFGのように思う。

    ちなみに小山田君のピックをライブ後に清水さんからいただいたことがある!
    これは私へではなくて、一緒にライブに行った娘に...。マニックスもコーネリアスも体験しているという娘ですが、今は私も彼女の周辺から「現在売れているアーティスト」を知ることにもなっているからいいのかなとは思う。

    コーネリアスとして活動してから、やはり10歳近く下の世代が高校からギターをはじめ、フリッパーズ・ギターに巡り合ったり、今の高校生もマニックスを聴いたりしているので、やはりいいものは時代を超えている。
    ポップスとPOPをフリッパーズ・ギターは明確に線引きしたのを思い出す。

    現在はどうなのだろうか?
    POPとは何なのだろうか?

    ちなみに2ndアルバムはもっともPOPな外観をしていながら、もっともPUNKなアルバムというのが主な評価だと思うし、私もそう思っている。
    しかし、そういうことを考えなくても聞けてしまう、使えてしまうこともまた重要なのだと思う。

    もちろん彼らの曲の原形にはオマージュとしての洋楽があるのだが、アルバムのトータル・パッケージとしてマニアックなまでに彼らのテイストにはこだわりが感じられる。
    それは、1stアルバムのGoodbye, our pastel badges から途切れることのない3曲はやはりアルバムとして聞いたときに曲順やパッケージとしての音楽魅力が倍増すると思う。


Sending to your Heart -恋してるとか好きだとか-

作曲: 小山田圭吾/小沢健二

Goodbye, our Pastels Badges -さようならパステルズ・バッヂ-

作曲: 小山田圭吾

The Chime will Ring -やがて鐘が鳴る-

作曲: 小山田圭吾/小沢健二

フリッパーズ・ギターのアルバム3枚と、SOFTBALLETの「ミリオン・ミラーズ」はトータルとしての音楽メディア表現の代表例だと思っている。

three cheers for our side〜海へ行くつもりじゃなかった

英語タイトルと日本語タイトルで意味をちがえているのも、まああざといんですがそういうところがまた好みなんですよね...

それにしてもよくお金もそれほどないのに、1枚3000円のCDもコレクションし(今も持っている。こういうリスナーが多いアーティストほど中古ショップには並ばないだろう。)本も買い、ライブや芝居に行っていたのだから、相当飲食やいわゆる物質消費をしてこなかったのだなあ...と90年代を振り返る次第。
でもライブや芝居に行くためにそれなりのファッションにも関心はあるわけであり...
今よりも物価も高かった気がしますしね...反バブル時代なのです。

何が変わり、何が変わらないのか。
ペシミスティックな気分はほとんどない。
不変とかそういうアバウトな言葉でなく、現在を眺めてしまいます。

好きな曲を羅することもできるが、割と膨大になる気がします。
Cloudy とか ヘッド博士の世界塔 など。
Going Zero なども90年代だなあと思います。



おすすめ のカテゴリーにするか迷いましたが、あえてサブカルチャーに入れます。
フリッパーズギターの魅力はポップなカウンター・カルチャーの良質さなのではないかと考える次第です。


後ほどアルバムリンクを足すかもしれません。


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