ジョルジョ アガンベン
筑摩書房
2008-03-10

ジョルジョ・アガンベン
平凡社
2012-05-27

ジョルジョ・アガンベン
みすず書房
2014-10-25
2014年暮れに受講した「現代イタリア思想入門」は今後の読書および現代をとりまく状況を知るためにとても有益だった。過去から学ばなければならない、とするのはイタリアのリソルジメントに限らず基本的な人々の姿勢だが、今後それはますます重要となるだろう。
問題は、グローバルの中で直面し、限界を迎えるであろう(あるいは迎えている)ことがらをいかにとらえるか。
すべてを書き残すわけにはいかないが(とったノートが膨大なので)アガンベン読解に際しての9つ+1のキーワードを書いておく。
1 潜勢力 (ポテンツァ)
2 閾(しきい) (soglito)
3 身振り (gesto)
4 涜聖(とくせい) (profanazion)
5 無為 (inoperosita)
6 共同体 (comunita)
7 メシア (messia)
8 声(voce)
9 註釈 (grossa)
10 貧しさ(proverta)
これだけ羅列しても 1、2、3、6、6などは想像はつくものの直ちには、わからないかもしれない。アガンベンの紹介者でもあり、現在はエスポジトも翻訳し、イタリア現代思想に関する第一人者である岡田温司先生がひとつひとつ解説。
出席してよかったと思う。 そして、かつて突き詰めて考えた、他者性というキーワードとの近さが浮かんだ。
境界とは、あちらとこちらを、隔てるものではなく、こちら側は自分の陣地だと主張するような幼稚なものではない。
目的を共にするものを意味する。
おそらく、パクスロマーナ、氾ギリシアでもそうした考えが規定にあったのではないか。目的を共にする境界とは、多様性を、前提としている、とわたしには考えられるのだが、こうしたテーマについて他の人や更に研究しているかたと語りたいと思う。
語義に遡り、その意味を考えることでいかなる世界が構築されていたかを考えることが可能。それは、グローバリゼーションの限界を、そして閉塞感に対して有効な風穴をあけてくれる。
そうした魅力がイタリア現代思想にはある。
「法の完成」についてのコメントも興味深かった。私はどちらかといえばドイツ民法が強く法意識があまり高いとはいえないわが国の現状を憂いているのだが、見方を変えると「法の完成」は法が機能しなくなることと同意であると・・・確かにそうかもしれない。ただ、法という一つの、そして万人に共通するルールにしか訴えることができない孤立、例外状態、声を上げられない状態、そういったことがらに光を当てるのは、法しかないのではないか、とも思う。
アリストテレス、エネルゲイア、デュナミス、可能態と現実態についてのアガンベンの考えも近現代の事柄を考えるのに有益である。複雑になったものを解きほぐしていくための。
生政治、キーワードについて、読書に応じて何回かにわけて書いていければいいと思う。
未読のテキストを読む際の、自分用のメモという形として。
涜神、は堤先生から紹介していただいた書物で(レーヴィとのかかわりで、「アウシュビッツの残り物」の読解をしているとき。(涜神の訳は上村先生)ずっと自宅にもっていた本だがいまならもう少し読解できそうだと思う。
アガンベン - エスポジト − ネグリ
三者の差異の説明もとてもわかりやすかった。
エスポジトを読もうと思うので、リンクをしておきます。
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