
国立西洋美術館で9月15日(祝)まで開催されている「RING」指輪展に行ってきました。
指輪展と題されているので、宝飾・指輪の展示と単純に思っていたところ、エトルリア、古代ギリシア(古典期)、ローマ、ビザンツ、15-19世紀イギリス・ドイツ、アーツ&クラフツ、アール・デコ、アール・ヌーヴォーと相当数のコレクションでとても見応えがありました。


歴史的な図像学や神話モチーフなどが扱われており、デザインや技術だけでなく、当時の価値観や死生観なども構成されていてとても愉しめました。
ヘルメス神の信仰、ヘレニズム、薔薇・ロゼットのモチーフの彫金はとても興味深いものがあります。
ルネサンス時代では、ロレンツォ・デ・メディチ(イル・マニフィコ)の指輪、ジュリアーノ・デ・メディチの指輪も展示されていました。ロレンツォの指輪はペリクレスのアテナイを意識した彼の価値観が反映されたギリシア古典期、ジュリアーノの指輪は、ミケランジェロの「夜」が彫られています。この彫刻は、サン・ロレンツォ教会のメディチ家礼拝堂・新聖具室の墓標に刻まれた4体の彫刻のうちの一つです。
15世紀-17世紀のイギリスのものも個人的に好みでした。イギリス的なネオ・ゴシック風なデザイン。
ルネ・ラリックのガラスのブルーの指輪も綺麗でした。
個人的な趣味で、あまり煌めいているものより、より古代〜ルネサンス的なデザインと、アール・デコなどが好みです。
古く指輪は、家で受け継がれるもので印章の役割ももっていた歴史があり、この展示でも宝飾以外の目的・機能をもった指輪が多く展示されているのも魅力。結婚・死、契約など、指輪のもつ意味を実感できる展示。
ポイズン・リング(中に毒をしこんでおき、戦闘員が場合によって自害するためのもの、近世だけでなく現代のアメリカ軍のものも)、ミニアチュール、カメオなどさまざま。
真澄嬢にチケットを頂いたので会期中に急いで観に行きましたが、見逃さなくて本当によかったです。
15日までなので、お時間ある方はぜひ。考古展示や歴史好きな方も愉しめると思います。
最後のセクションでは神戸ファッション博物館からアンティーク・ドレスの展示もありました。
最近図録を買い過ぎなので今回は観るだけ、と思ったのですが図録もとてもよく出来ていてコンパクト、写真や解説もじっくりみたいし・・・と買ってきてしまいました。
ロセッティ、エル・グレコなど一部、常設にある絵画とも一緒に展示されています。
同時にゴヤの版画展も開催されてます。http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2014goya.html

写真・作品名等を後程追加する予定。
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