NHK総合『吉原裏同心』
http://dogatch.jp/news/nhk/27145)を見てみました。
薄墨太夫に野々すみ花さん、前の週に「謎の男」としてちらっと出ていた辻本祐樹さんが間宮鋭三郎として出ており、すみ花演じるところの薄墨太夫の過去が明らかになる・・・という回です。

このドラマ、ちゃんと見たのは前週が初めてですが、『新撰組血風録』と同様、着物の着こなしというかファッションとしての着物の着方や組み合わせがハイセンスです。配色がきれい。
すみ花も辻ちゃんも(愛称で失礼)、とてもいい意味で現代っぽくない役者さんなので時代の空気がたたづまいだけで変えられる役者さんだと思います。
普段ドラマは見ないんですが、このお二方が出るというので見てみました。
鴻池をやっていた近藤正臣さんや、春の西川流の鴎伎会でも美しかった尾上紫さんも出ていて見どころが多いと感じます。魅せる役者さんが多く、画面も「きれいな絵を描こう」というのがいいと思います。

NHK時代劇で辻本さんの久々の殺陣も見られてよかったです、みねうちのままだったら再度登場できるのに、もったいない・・・・などと思っていました。(辻本さん発信のblog他で知ったから見ていたわけですが、登場が2回ということは、2回目で死ぬのか・・・と大方予想しており・・・やっぱりー!!と見ていた家族と声を出す始末。)
辻本さんは死ぬ演技が最近多いのですごくそれがうまいのですが、そろそろ死にそうかと思いきや死なないとか、むしろ死ねないことで苦悩する役とかそういうことも配役する方にお願いしたいです・・・というのは贅沢な注文ではないはず!)
『涙を数える』の明一郎の死に方は本当に、・・・もう彼はここにはいない、逝ってしまったんだな、という表情です。一瞬で血の通わない、骸になっていく・・・。
(もう収録日と後半日程になったから書いてもいいですよね?)
葛藤する役は多くやっていると思うのでうまいですし、『涙を数える』では序盤の明一郎は快活かつ自信家という結構レアな役なのでそれもあってます。
それ以上にかつて演じた病んだ沖田として語る辻本さんの言葉が、彼岸を見ていてそれでも前向きで、寂光に満ちていて、上手いなあと感心したことがあるのでたぶん、もっと何かあると思えてくるのです。

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『涙を数える』公演中に、間宮鋭三郎を観られてタイミングとしてとっても良かったです。
そして公演をもう一回見たくなりました。
池岡亮介さんの大佛や岡田さんの南條さん、今日はどんな感じで演じているのか、明一郎と鏡吾(多田さん)はどう対峙するのか、・・・ふと気になります。
芝居は生ものですから、特に後半日程になると再度観たくなるのです。


ところで木曜ドラマ(時代劇)は時代劇の形式をとりながら、今日的・ヒューマンなドラマを作っていますね。
かといって時代的特殊性は加味してあります。でも演出としてはとても現代的です、気になるのはドラマとしてはやや舞台的なところでしょうか。気になるというより、ふと気づいたという意味でですけれども。
この時間に在宅してTVを自然に観る層というのはある程度限定されてきますが(そうでもないのか?)観たい演者さんが出るならやっぱりチャンネルを合わせたり録画予約をするわけです。

TVは影響力のあるメディアなのでぜひクオリティを求めてほしいです。
クオリティの部分がBSやCSに移行しているのはわかりますが、マスメディアとしてのクオリティというのは大切だと思うのですよね・・・意外と皆、もっと質を求めているのだが、なんとなく埋没してしまうのでしょうし、それをメディアは狙ったら恣意的だと思われても仕方がないというか。
海外のTV番組を放送することはありますが、海外で日本の番組が放送されるレベルを目指すといいのでは、と感じる。私は字幕をきちんとつければ今日的な時代劇は国外・海外で「売れる」と思っています。
つまり英語・フランス語くらいの適切な字幕表示を選択できればという意味でです。
かつての日本映画がフランスで評価されたような仕方で、おそらく。
現代の日本人が時代劇を観るのも、「日本」がもはやエキゾチックなものだからであって、単純に江戸時代とか戦国時代とか平安時代とかを観たいだけではないのだと考えています。
それは国外の人が憧憬する「日本的なもの」という部分とそれほど外れてはいないのです。
あえて外した表現を国外のメディアに作って逆輸入している場合ではない。
時代考証や文化・服飾考証をした映像作品が多言語化して観られるべきだと思っています。

野乃すみ花さんがいいので、来週も見ることにしようと思いました。
『涙を数える』を見ていて、明一郎の妹を舞羽美海ちゃんが演じたら・・・とかつての雪組「仁」の舞台となんとなくリンクさせてみていました。

等と書いていたら大河『軍師官兵衛』に九月から辻本さんが出演するのですね!
なんとなく春あたりにそんな予感はしていましたので、ピンポイントでみず攻め回とかちらほら観てました。


個人的な記録としては、一昨日あたりから庭の百合が咲いてきました。
いつもよりも遅い開花だと思います。

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