恩師の先生にご招待いただきまして、西川流の日舞公演に行ってきました。
度々お声をかけて頂きますが、素晴らしい舞台です。

imageimage

先生は長唄「藤娘」を踊られました。衣装、舞台美術、演奏、所作、衣装替えと美しい舞台で感嘆しました。以前は「京鹿子娘道成寺」を踊られました。
また西川箕乃助さんの千歳、西川扇左衛門さんの三番叟、大変美しかったです。これは長唄・清元「舌出し三番叟(しただしさんばそう)」という演目。どうやら初演は1812年。後に今の千歳と三番叟の二人の演目になったようです。
西川箕乃助さんは大河ドラマ(現作品や新選組!もそうですね)などの所作指導もされているので知っている方も多いのでは。

十代目宗家扇藏さんの時雨西行の西行法師も拝見できて良かったです。
幕開けの万歳、こちらも扇左衛門さんと尾上紫さんによる大和万歳で形がとても美しかった。最後まですべて拝見できた一日でした。



邦楽の音色はとても心洗われるものがあります。舞踊会はすべて生の演奏と唄。舞台装置や美術は明治座からのものです。
私はおおかわの音が好きで、歌舞伎座などもお芝居はもちろんですが、日舞と演奏、松羽目物が特に好きです。

本当に見応えがあって、だんだん演目も覚えていければいいと感じます。
同時に学校教育から抜け落ちた文化は本当にたくさんあると感じます。私の場合は実家の祖母や叔父が好きで歌舞伎会に入っていたので小さいときから割と観ていましたが、機会がないと観に行かないのでは。(自分も観に行っていたので、娘も小2のときには連れていきましたが舞台を観るのが好きなので飽きる様子は当時からなかったです。)

能や日舞を観ると面(おもて)の意味を考えるようになります。
何かを見えなくすることにより、より本質が目に見えるようになる。
逆にいえば目に見えることにこだわっていると本質をよく観ることができない。
こうした両義性。

そして美について考えさせられます。
そのことだけを考えられる時間が、舞踊を観るときに感じられるよろこびや愉しさ。