
森アーツセンターでのラファエル前派展。
数年前にbunkamuraで開催されたミレイ展の時に来日したオフィーリアも展示。以前観たときよりも<タチアナ>が色鮮やかに感じた。
なぜか今回、一番惹かれたのは、<シェイクスピアの部屋>と<チャタートン>でした。
次いで、バーンジョーンズ。
バーン・ジョーンズは不思議な画家だと思う。
個人的な見解だが、人物はマニエリスム、聖堂などの背景にはマンテーニャ的なものを感じる。そしてラファエル前派というよりは象徴主義。
シェイクスピアの部屋は、どこかハンマースホイの作品を思わせる。
チャタートンもまたラファエル前派以前の作品なのだが、むしろ象徴主義に近い部分もある。
17歳で死んだ詩人を描いているのだが、明るい窓の外は当時の町並み・風景をきっと映し出している。窓辺にあるあまり手入れされていない薔薇の花(一輪)、片方脱げた靴、うっすらと煙が残っているような燃え尽きた燭台等が見える。
それから、もう一つはチョーサーの『薔薇物語』を主題にした水彩。
薔薇のモチーフが記号化されて構成されている。
ラファエル前派は文字通り、アカデミーの規範とされてきたラファエロ的な絵画に対して、中世・ゴシックなどの再評価的な動きだったが、もう一つはアーツ&クラフトに観られるような東方的美とモチーフ、パターンといった美術のデザイン化があると考えられるのだが、薔薇物語にはそれが感じられた。
ミレイのオフィーリアがある展示室には、モリスの絵画も展示してあった。

ローランス デ・カール
創元社
2001-03

隣ではアンディ・ウォホール展。
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