【送料無料】 ロミオとジュリエット<雪組> 【smtb-u】
ティツィアーノ (イタリア・ルネサンスの巨匠たち―ヴェネツィアの画家)
著者:フィリッポ ペドロッコ
販売元:東京書籍
(1995-05)
販売元:Amazon.co.jp
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ティツィアーノ (ニューベーシック) (ニューベーシック・アート・シリーズ)
著者:イアン・G・ケネディー
販売元:タッシェン・ジャパン
(2009-07-01)
販売元:Amazon.co.jp
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東京宝塚劇場で行われている雪組公演を初日に観て以来、何度か劇場に見に行っている。
私にとって興味深いテーマがさりげなくセリフに織り込まれていて衣装も当日16世紀のスペイン肖像画から取り上げられていてそれが似合っているのが素晴らしい。残念なことにチラシやポスターからはそれが伝わらないのですが。
宗教改革ばかりが世界史で取り上げられるがじつはバロック美術は反動宗教改革の反映でもあり、絵画が宗教絵画から集団肖像画になり、個人を描く肖像画として主にイタリアからヨーロッパ各地な画家たちが宮廷画家になったのは美術史ハンドブックなどで概略が掴める。劇中では沙央くらまがヴェネツィア派のティッツアーノを演じて歌う場面がある。ドゥカーレ宮殿でティッツアーノの仕事を見た私には宮廷人と画家の意見の交わしかたも興味深い。

カルロスの親友たちがナショナリズム的帝国主義に疑いないなか(この場面や彼らの友愛と情熱はとてもいいのだが)早霧せいなが演じるポーザ侯爵は、「人を幸せにするはずのものが何故人を苦しめ命をたつものになるのか」という疑問を抱き、ルターのドイツ語新訳を示してカルロスに助力を願う。カルロスを演じるのは音月桂だが日によって表現が細やかに変化してかなり見逃せない、フェリペ二世の未涼さんがまた作品の人間心理を深めているし、コーラス部分の雪組全体の一体感は非常にクオリティが高い。パリオペラ座 ル・ パルク並みにかなりシンプルなセットなのに時代的な雰囲気と魅せる力があるのは、演じている側と脚本の力だと思う。衣装も本当に似合っていると思います。
私はイタリアのワルデス派の比較的内省的な宗教改革を研究テーマにしていたし、写本から印刷になる時代のピコ、フィチーノを調べつづけていたから、同じ本がそんなにたくさん、というセリフも興味深い。しかしカトリック=異端審問といイメージは若干強すぎる。プロテスタント側でもカトリック狩りのようなものは行われていた、だがスペインの教会権力がイタリアやほかの地域でまきおこした権威濫用は否めない、加えて無知ゆえに告訴したヴェネツィア貴族のせいでブルーノは火あぶりになっている、しかしあまり強調されないので書いておくと火あぶりより残酷な見せしめはドイツの杭打ちであろう、恐るべきことに18世紀でも行われていたしこのことは、ヘルダーリンが自国国民性に嘆いているテキストが有名だ。
さらにプロテスタント側は19世紀になっても魔女狩りがあった。
ドイツ文学案内 (岩波文庫)
著者:手塚 富雄
販売元:岩波書店
(1993-03-30)
販売元:Amazon.co.jp
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ネーデルラント(オランダ)が信教の自由地区となっていくのも、この辺りのあらすじが、のちのち関係してくると思えるので興味深い。つまりは現在から過去、そしてこれからのこと、普遍的なことと個人の生、在り方が描かれている作品だと思う。(一度見れば十分だというものと比較して、何度でも見たくなる舞台だということを強調したい。)

補足するならば、ルターは、ドイツ語訳で招命=職業におきかえた。しかし私は、今のフランス語がもつ「役割を果たす」という意味の「働く・はたらき」であるトラヴァイエこそが、人々の「職業」なのだと思っている。
量や、金銭の多さによってカテゴライズするのは本来の信仰(つまりは心のありかた)から自由で静的な空間を奪うであろうから・・・・。
(中沢新一はイコノ・ソフィアで”天使空間”という概念を述べているけれども、私が言いたいのはそれに近い。)
イコノソフィア―聖画十講 (河出文庫)
著者:中沢 新一
販売元:河出書房新社
(1989-10)
販売元:Amazon.co.jp
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このあたりについては、私も、考えると結論がでなくなることです。
「なぜ生きているのか」ということにつながっていくためゆえか。
要するに、音月桂さんの 「これは宗教の問題ではなく、無関心ゆえなのです」 という台詞は、ナショナリズムと他者性といういまにも通じる根本的で人間的問題について正鵠を得ていて、台詞の語りかたが素晴らしいのです。

著者:フィリッポ ペドロッコ
販売元:東京書籍
(1995-05)
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著者:イアン・G・ケネディー
販売元:タッシェン・ジャパン
(2009-07-01)
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東京宝塚劇場で行われている雪組公演を初日に観て以来、何度か劇場に見に行っている。
私にとって興味深いテーマがさりげなくセリフに織り込まれていて衣装も当日16世紀のスペイン肖像画から取り上げられていてそれが似合っているのが素晴らしい。残念なことにチラシやポスターからはそれが伝わらないのですが。
宗教改革ばかりが世界史で取り上げられるがじつはバロック美術は反動宗教改革の反映でもあり、絵画が宗教絵画から集団肖像画になり、個人を描く肖像画として主にイタリアからヨーロッパ各地な画家たちが宮廷画家になったのは美術史ハンドブックなどで概略が掴める。劇中では沙央くらまがヴェネツィア派のティッツアーノを演じて歌う場面がある。ドゥカーレ宮殿でティッツアーノの仕事を見た私には宮廷人と画家の意見の交わしかたも興味深い。

カルロスの親友たちがナショナリズム的帝国主義に疑いないなか(この場面や彼らの友愛と情熱はとてもいいのだが)早霧せいなが演じるポーザ侯爵は、「人を幸せにするはずのものが何故人を苦しめ命をたつものになるのか」という疑問を抱き、ルターのドイツ語新訳を示してカルロスに助力を願う。カルロスを演じるのは音月桂だが日によって表現が細やかに変化してかなり見逃せない、フェリペ二世の未涼さんがまた作品の人間心理を深めているし、コーラス部分の雪組全体の一体感は非常にクオリティが高い。パリオペラ座 ル・ パルク並みにかなりシンプルなセットなのに時代的な雰囲気と魅せる力があるのは、演じている側と脚本の力だと思う。衣装も本当に似合っていると思います。
私はイタリアのワルデス派の比較的内省的な宗教改革を研究テーマにしていたし、写本から印刷になる時代のピコ、フィチーノを調べつづけていたから、同じ本がそんなにたくさん、というセリフも興味深い。しかしカトリック=異端審問といイメージは若干強すぎる。プロテスタント側でもカトリック狩りのようなものは行われていた、だがスペインの教会権力がイタリアやほかの地域でまきおこした権威濫用は否めない、加えて無知ゆえに告訴したヴェネツィア貴族のせいでブルーノは火あぶりになっている、しかしあまり強調されないので書いておくと火あぶりより残酷な見せしめはドイツの杭打ちであろう、恐るべきことに18世紀でも行われていたしこのことは、ヘルダーリンが自国国民性に嘆いているテキストが有名だ。
さらにプロテスタント側は19世紀になっても魔女狩りがあった。

著者:手塚 富雄
販売元:岩波書店
(1993-03-30)
販売元:Amazon.co.jp
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ネーデルラント(オランダ)が信教の自由地区となっていくのも、この辺りのあらすじが、のちのち関係してくると思えるので興味深い。つまりは現在から過去、そしてこれからのこと、普遍的なことと個人の生、在り方が描かれている作品だと思う。(一度見れば十分だというものと比較して、何度でも見たくなる舞台だということを強調したい。)

補足するならば、ルターは、ドイツ語訳で招命=職業におきかえた。しかし私は、今のフランス語がもつ「役割を果たす」という意味の「働く・はたらき」であるトラヴァイエこそが、人々の「職業」なのだと思っている。
量や、金銭の多さによってカテゴライズするのは本来の信仰(つまりは心のありかた)から自由で静的な空間を奪うであろうから・・・・。
(中沢新一はイコノ・ソフィアで”天使空間”という概念を述べているけれども、私が言いたいのはそれに近い。)

著者:中沢 新一
販売元:河出書房新社
(1989-10)
販売元:Amazon.co.jp
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このあたりについては、私も、考えると結論がでなくなることです。
「なぜ生きているのか」ということにつながっていくためゆえか。
要するに、音月桂さんの 「これは宗教の問題ではなく、無関心ゆえなのです」 という台詞は、ナショナリズムと他者性といういまにも通じる根本的で人間的問題について正鵠を得ていて、台詞の語りかたが素晴らしいのです。
是非見てもらいたいのはレビューも同様で、とにかく群舞の揃いかた、早霧せいなさん(先日もちらっと触れた小林十市さん振付のニジンスキーはこの人しかできないと思う)、未涼さん、音月さんが歌い踊りついでいくのが素晴らしい。
しかも袖近くで踊る方々まで隅々まで巧いのです。ヒールある靴でドュミ ポアントで高速のシェネをサイドがやっていたり(ヴィシニョーワのバヤデルカ以来早く正確で毎回驚く)飛鳥組長がさりげなく最高に上手に踊られるのでまあ観るところがたくさんあって、ヌレエフ版シンデレラくらい一生懸命みると疲れるくらい充実します。ホントに凄いですね!といいたい、ので感想を。今の雪組が大変よいのでこのメンバーでアパショナード特別公演があればよいのにと思います、凄くいいものができると思われる。大湖せしるさんを瀬奈さん時代の龍さんポジションにして。今のショーでは光の場面とそのあとのデュオ(デュエット?)ダンスを音月さんと早霧せいなさんがやってらっしゃいますが果たしてせいなさんが霧矢さんがやったパートをやってくれるのかがポイントではないかと何人かとは話しています。
最後にマルシリオ・フィチーノが1400年代の終わりに、手紙で残したことばを。
(翻訳はありません、英語版で私はよみました)
正しい宗教と正しい哲学は人を幸福にする。
そしてこの場合の幸福とは比較しうるもののうちには入らない。
またニジンスキーの舞台稽古シーンで早霧せいなが ヴァツラフの踊りと演技について、 掴んだともいいたくないし掴み続けたい、しかし手応えがないわけではない、どこまでも追求していきたいというコメントが大変印象的であって、ふとした合間に思いだされるほど。
自分に厳しく周りに優しいかたの笑顔は本当に美しいものです。いましか観られないもの、有形であり無形の美、劇場の魅力がいろいろな意味で感じられる演目かと思います。音楽や照明も素晴らしいです。
そんなわけで1階と2階で観劇することをお勧めします。ただしB席の場合は、光と影の場面で、音月さん、早霧さん、舞羽さんが見切れます。反対に一階席でのみ見ていると照明デザインの迫力と、未涼さんの影のパートを見逃してしまいます。ぴあだとプログラム付の鑑賞チケットがまだあるようなのでぜひ。
いい演目ですし、多くの人に見てもらいたいです。
(そうでなかったら記事にはしません・・・)
そして、万有引力アフタートークのときに、寺山が宝塚の雪組作品をつくりたがっていたというのがわかった気がしました。
Le Cinq (ル・サンク) 2012年 05月号 [雑誌]
販売元:阪急コミュニケーションズ
(2012-03-28)
販売元:Amazon.co.jp
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追記:<光と影>のシーンで高速かつ正確なシェネをしているは誰だろう、と漠然と思っていましたが、そのことをVISA貸切公演ほかの公演のときに娘に聞いたらあれは彩風咲奈さんだろうと答えが帰ってきたので追記。
本当に毎回、アームスを両肩においた状態でのななめ方向へのシェネは美しいしそのあとの動きもきれい。彩風さんがうまくなると、先に出てくる彩凪さんもすごく動きがきれいになって、その場面は未涼さんと一緒にみるのが実に忙しい。とにかく、DVDや舞台稽古でも咲奈さんの場面は映っていないので書いておきます。
そして、何回か観る中で、未涼亜希さんの演技も唄も踊りもすばらしくなっていったのがインプレッションが深いので追記します。ローマがすきという未涼さんのいいところがすごく出ている舞台だと思います。
そして早霧さんの同期の沙央くらまさんと大湖せしるさんが、公演のたびに上手くなって見せ方も上手くなっていったのがとても印象的です、音月桂さんもDVD収録のときよりも東京公演の終わりのほうが進化している。・・・のでぜひ東京公演を記録にとっていたら放送してほしいものです。


スペイン16世紀衣装。せしるさんの衣装がとても似合ってるんですが、なぜか大抵の場合見切れている・・・。
産経の特集では運よく(?)掲載されていましたが、こうした雰囲気が伝わるポスターやフライヤーにすればいいのに・・・。(DVDジャケットデザインも然り・・・。)
私自身も、この内容の書籍にこのブックデザイン?!と絶句することが多かったので、しつこくてすみませんが、いちいち気になります。
もともと沙央くらまさんは音感があるので音楽とリズムをつかめるとレッスンと舞台の雰囲気次第ですごく踊りが音楽的になりますし、その次に公演を通じて成長を感じられたのは(実は初日から思っていましたが)大湖せしるさんでした。早霧さんはすきですけれど、その支えや影のような存在でいるのは沙央さんにはちょっともったいない、伸びしろがあるかただと思うので、実力並みに歌えて踊りもできる2番手をやれる状況になればよいです。
上手いのはここに名前を挙げただけではなく、コーラスや群舞からいつも光るものを見ていました。
名前から舞台を確認して喝采するのは簡単なことです。
それよりも重要なことは、観客が原石の光をみのがさないこと・・・それが生の舞台の存在理由だとも思います。
名前をあげることはできないのですが、やはりスペインの場面での「砂」役の女性たち、なかでもフェッテを4回転くらいしながら着地することなくアティチュード・ターンをする方がたもすごく巧いし美しいです。
ドン・カルロス(ちなみにドンは英語のミスターにあたる)での冒頭のカルロス登場までのコーラスもとても良かったです。
DVD映像とは別次元なくらい、東京公演は最後まで進化していきました。
この作品は運よくも、曲差し替えや、ヴォーカルカットという出演者も購入者もがっかりな事柄がないので、安心して買えます。

ドン・カルロス/Shining Rhythm!(DVD)
(こうした曲カットや音楽を差し替えたら値段を割り引いて販売するとか、合理的な考えは浮かばないのでしょうか。バレエDVDも昔は7000円くらいした作品がだいたい4000円代におちついていますし・・・)DVDでは確認できませんが、最後の燕尾の場面での早霧さんの手と指の動きがすごいと娘がいっていたのでそれからはずっとチェックしてましたが、発売されてからは沙央さんの踊りや指先の使い方も代わりました。凄いことです。
そして光と影の場面では、盆が回りつつ奈落からせりあがってくるシーンまでに、軽くスプリッツする面々も見逃せません。(という具合に、上手い人がたくさんいるので見るのが本当に忙しい。)
カゲソロというパートも正直オペラ・オペレッタをしるものにとっては理解に苦しみますが(舞台袖ででもオンなら歌えばいい、録音・オフなら舞台にでなくてもいい・・・)奏乃はるとさんのカゲソロ部分は素晴らしいし、異端審問官の語りと唄も、最後の週には響きが倍くらいになっていました。これは未涼さんと沙央さんの公演ごとに変化・進化していったこととも重なるので記録しておきたいです。
舞台人は舞台という非日常を生きるために、私生活をきりつめます。
それぞれをいきる人自身は同じなのですが、時間の流れ方が違うのです。
重要なのは、人が役割をえたときに、いかにこなすことができるかということ・・・。
反対にできることがあるのに、嫉妬や傲慢さによって回りの能力を顧みられず、一人で生きていられると思い込むのは不幸なことのように思えます。
しかも袖近くで踊る方々まで隅々まで巧いのです。ヒールある靴でドュミ ポアントで高速のシェネをサイドがやっていたり(ヴィシニョーワのバヤデルカ以来早く正確で毎回驚く)飛鳥組長がさりげなく最高に上手に踊られるのでまあ観るところがたくさんあって、ヌレエフ版シンデレラくらい一生懸命みると疲れるくらい充実します。ホントに凄いですね!といいたい、ので感想を。今の雪組が大変よいのでこのメンバーでアパショナード特別公演があればよいのにと思います、凄くいいものができると思われる。大湖せしるさんを瀬奈さん時代の龍さんポジションにして。今のショーでは光の場面とそのあとのデュオ(デュエット?)ダンスを音月さんと早霧せいなさんがやってらっしゃいますが果たしてせいなさんが霧矢さんがやったパートをやってくれるのかがポイントではないかと何人かとは話しています。
最後にマルシリオ・フィチーノが1400年代の終わりに、手紙で残したことばを。
(翻訳はありません、英語版で私はよみました)
正しい宗教と正しい哲学は人を幸福にする。
そしてこの場合の幸福とは比較しうるもののうちには入らない。
またニジンスキーの舞台稽古シーンで早霧せいなが ヴァツラフの踊りと演技について、 掴んだともいいたくないし掴み続けたい、しかし手応えがないわけではない、どこまでも追求していきたいというコメントが大変印象的であって、ふとした合間に思いだされるほど。
自分に厳しく周りに優しいかたの笑顔は本当に美しいものです。いましか観られないもの、有形であり無形の美、劇場の魅力がいろいろな意味で感じられる演目かと思います。音楽や照明も素晴らしいです。
そんなわけで1階と2階で観劇することをお勧めします。ただしB席の場合は、光と影の場面で、音月さん、早霧さん、舞羽さんが見切れます。反対に一階席でのみ見ていると照明デザインの迫力と、未涼さんの影のパートを見逃してしまいます。ぴあだとプログラム付の鑑賞チケットがまだあるようなのでぜひ。
いい演目ですし、多くの人に見てもらいたいです。
(そうでなかったら記事にはしません・・・)
そして、万有引力アフタートークのときに、寺山が宝塚の雪組作品をつくりたがっていたというのがわかった気がしました。
![Le Cinq (ル・サンク) 2012年 05月号 [雑誌]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/514V68NwZuL._SL160_.jpg)
販売元:阪急コミュニケーションズ
(2012-03-28)
販売元:Amazon.co.jp
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追記:<光と影>のシーンで高速かつ正確なシェネをしているは誰だろう、と漠然と思っていましたが、そのことをVISA貸切公演ほかの公演のときに娘に聞いたらあれは彩風咲奈さんだろうと答えが帰ってきたので追記。
本当に毎回、アームスを両肩においた状態でのななめ方向へのシェネは美しいしそのあとの動きもきれい。彩風さんがうまくなると、先に出てくる彩凪さんもすごく動きがきれいになって、その場面は未涼さんと一緒にみるのが実に忙しい。とにかく、DVDや舞台稽古でも咲奈さんの場面は映っていないので書いておきます。
そして、何回か観る中で、未涼亜希さんの演技も唄も踊りもすばらしくなっていったのがインプレッションが深いので追記します。ローマがすきという未涼さんのいいところがすごく出ている舞台だと思います。
そして早霧さんの同期の沙央くらまさんと大湖せしるさんが、公演のたびに上手くなって見せ方も上手くなっていったのがとても印象的です、音月桂さんもDVD収録のときよりも東京公演の終わりのほうが進化している。・・・のでぜひ東京公演を記録にとっていたら放送してほしいものです。


スペイン16世紀衣装。せしるさんの衣装がとても似合ってるんですが、なぜか大抵の場合見切れている・・・。
産経の特集では運よく(?)掲載されていましたが、こうした雰囲気が伝わるポスターやフライヤーにすればいいのに・・・。(DVDジャケットデザインも然り・・・。)
私自身も、この内容の書籍にこのブックデザイン?!と絶句することが多かったので、しつこくてすみませんが、いちいち気になります。
もともと沙央くらまさんは音感があるので音楽とリズムをつかめるとレッスンと舞台の雰囲気次第ですごく踊りが音楽的になりますし、その次に公演を通じて成長を感じられたのは(実は初日から思っていましたが)大湖せしるさんでした。早霧さんはすきですけれど、その支えや影のような存在でいるのは沙央さんにはちょっともったいない、伸びしろがあるかただと思うので、実力並みに歌えて踊りもできる2番手をやれる状況になればよいです。
上手いのはここに名前を挙げただけではなく、コーラスや群舞からいつも光るものを見ていました。
名前から舞台を確認して喝采するのは簡単なことです。
それよりも重要なことは、観客が原石の光をみのがさないこと・・・それが生の舞台の存在理由だとも思います。
名前をあげることはできないのですが、やはりスペインの場面での「砂」役の女性たち、なかでもフェッテを4回転くらいしながら着地することなくアティチュード・ターンをする方がたもすごく巧いし美しいです。
ドン・カルロス(ちなみにドンは英語のミスターにあたる)での冒頭のカルロス登場までのコーラスもとても良かったです。
DVD映像とは別次元なくらい、東京公演は最後まで進化していきました。
この作品は運よくも、曲差し替えや、ヴォーカルカットという出演者も購入者もがっかりな事柄がないので、安心して買えます。

ドン・カルロス/Shining Rhythm!(DVD)
(こうした曲カットや音楽を差し替えたら値段を割り引いて販売するとか、合理的な考えは浮かばないのでしょうか。バレエDVDも昔は7000円くらいした作品がだいたい4000円代におちついていますし・・・)DVDでは確認できませんが、最後の燕尾の場面での早霧さんの手と指の動きがすごいと娘がいっていたのでそれからはずっとチェックしてましたが、発売されてからは沙央さんの踊りや指先の使い方も代わりました。凄いことです。
そして光と影の場面では、盆が回りつつ奈落からせりあがってくるシーンまでに、軽くスプリッツする面々も見逃せません。(という具合に、上手い人がたくさんいるので見るのが本当に忙しい。)
カゲソロというパートも正直オペラ・オペレッタをしるものにとっては理解に苦しみますが(舞台袖ででもオンなら歌えばいい、録音・オフなら舞台にでなくてもいい・・・)奏乃はるとさんのカゲソロ部分は素晴らしいし、異端審問官の語りと唄も、最後の週には響きが倍くらいになっていました。これは未涼さんと沙央さんの公演ごとに変化・進化していったこととも重なるので記録しておきたいです。
舞台人は舞台という非日常を生きるために、私生活をきりつめます。
それぞれをいきる人自身は同じなのですが、時間の流れ方が違うのです。
重要なのは、人が役割をえたときに、いかにこなすことができるかということ・・・。
反対にできることがあるのに、嫉妬や傲慢さによって回りの能力を顧みられず、一人で生きていられると思い込むのは不幸なことのように思えます。
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