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演目的テーマに興味があったのと、以前からバレエの基礎がすごくしっかりしている稽古風景画像を見たこともあって、エドワード八世公演に行ってきました。
何回か観に行ってしまったのは、見るたびになるほどと思えるポイントが見えてきたからかもしれません、イギリス史、議会史、ジェントルマン階層とコモンズ、王制と議会制、さらにはスコットランドとメアリ・スチュアート、諸侯と王、議会とのバランス関係などなどがかなり細かいセリフに盛り込まれているからでもあります。
このあたりがまったくわからないと、「眠い」という哀しい観客になってしまいますが、知っていればいるほど、面白い・・・。チャーチルと、王位継承をしたエドワードの対話、王の孤独さ、本当の自由とは何か?権力と権威とは?などなどいろいろ考えてしまうわけですが、次のショーで吹き飛ぶので(笑)、また観に行ってしまうとエンドレス構造、ちなみに台本はル・サンクに載っています。(ガイ・バージェスの録音オフ音声から)



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やらかめの感想を書くならば、「英国王でのスピーチ」でも出てきた大司教がだんだんと緊張具合があからさまな感じになって面白かった、青樹泉さんがだんだん歌がうまくなっていった、龍さんが霧矢さんのあとを受け継ぐことのプレッシャーを感じているのと受け継ぐことを決意して舞台に臨んでいるんだなというのがひしひしと伝わってきたこと、星条さんの力量、それと明日海さんのちょっとした演技の違いなどなど・・・舞台経験10年の娘とみると、楽屋目線でいろいろ感想をいってくるのでそれが面白かったです・・・どうも私も観客目線で見ることができず、アントルラッセの高さに感動しながらも、奈落が開いているので落ちるんじゃないかと違う意味で心配になったり・・・。下手上手をどれだけの速さで移動して着替えてメイク直ししてるんだよ!みたいなことでいちいち見入ってしまいました。何か・・・半分は友達の出ている発表会や公演を応援してみている感覚に近い(苦笑)・・・

それにしても霧矢さんは声量と演技も素晴らしいですが、ジュッテ、アントルラッセ、ピルエットも美しい・・・
なんばのチャコットで紅さんが霧矢さんにあったという話をきくと、なんばのチャコットに行ってみたい!と思うくらい・・・。これで一日二公演し、なおかつラストにリフトまでしてしまうというのはどういうレッスンと体力なのか・・・と思います・・・。恐るべし。多分、やっている人がみるほど、その凄さがわかるというか・・・。

それからメディアと王室、メディアと議会、そういったこともテーマになっているので面白いです。
英語名だと The Radio Prince. エドワードの統治名は私の敬愛する(永遠に)リッチー・ジェイムスのセカンドネームでもありますし、エドワード懺悔王もイギリス史のキャスト(という言い方がゆるされるならば・・・)好きなので、ジョージ(要するにゲオルギウス/ゲオルグ系王名)ではなく、エドワードを選びたいという理由を語る場面も好きでした。


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本当に絶賛上映中でした。
次回もドン・カルロス(私はオペラ版・音楽史がヴェルディだったので)なので実はかなり興味があるのですが、このポスターはちょっとかわいそう・・・もう少しなんとかならないものなんでしょうか・・・。せっかくスペイン風衣装もきれいなのにもったいない・・・・。)

当然千秋楽にいくようなことはできませんでしたが、最後の日程の公演を以前、オーシャンズ11のご招待を誘っていただいた、Art and the cityののえるさんとご一緒しました。
のえるさんからは、三菱一号館のペアチケットがあるからと、一緒に見に行くはずだったのですが、私の仕事帰宅時間がやたら遅くなり、そちらはご一緒できず、、まだ一度も三菱に行けてませんが次回は、バーンジョーンズ展とのことでいかなくては、と思っています。

のえるさんからは、手作りイースターエッグをいただきました!
これがすごく美しい。
後日写真をのせられたらよいです。



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帝国ホテル内には鎧兜が出ていました。
5月は大好きな季節ですが、こうしてディスプレイしてあるのをみると、また、ああもう皐月なのだ・・・と奇妙な時間感覚[飛ぶような日時の感覚・・・・やることが終わらない日々・・・)を覚えます。

近況としては、昨年夏、秋(丁度論文を書いているころ)と二度心臓と動脈の手術をした義父が再度入院となり、(付き添いが私しかいなかったので、論文と文献を持ち込んで推敲しながら手術術後付き添いをした記憶があります、我ながら、頭の切り替えが昨年はほんとうに大変でした・・・・)様々なご連絡が滞ったり、お返事が遅れたり、・・・申し訳ない限りです。短くいうと、あまり寝ていない(笑)

それゆえに、「近頃、不眠症気味〜」と歌う霧矢さんがすごく他人ごとには思えなかったのもあります。

最近、中沢新一氏も宝塚好きといっているらしいので、私もそのうち(自主的に)理論づけをしてみたいと思います。舞台に生きることは虚像ではなく、むしろ実体はそちらにあるのだ、と思うのでした。
しかし、実際にそこで行き演じ踊る方が、不合理な理由で報われなかったり、実力を発揮できないままだったり他利に左右されすぎてしまうならば何かシステム上問題があるのではという気持ちもあります。
これは、様々なバレエカンパニーや、劇団にもいえることですが・・・・
アリストテレス的にいえば、他人からの賛辞にすべて支配されてしまうのでは哀しいし、現実社会の歪みからか完全に目をそらしてはいけないという複雑な気持ちになります。

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コメントみていると蒼野はしっかりしているなと思います・・・、もし組替えにならなかったら紅ゆずるさんとよいコンビがくめたのでは、・・・などという気持ちにもなってしまいます。
そして白華れみさんとコンビが組めなかったものか?とも。
そして龍さんと蒼野には脚とアームス両方の振りがついていて歌う場面があるのに、観客の拍手が極端に少ない・・・のも気になるのでした・・・。

主観にとらわれ、嫉妬羨望からの悪口は悪徳として醜いものです・・・。


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ドン・カルロスとオーシャンズもル・サンクが全貌が分かりやすい。
ロミオとジュリエット(正確には、ロメオ エ ジュリエッタ だと声を大にしていいたいところですが)には美弥るりかさんが出るので観に行きたいです、バレエをずっとやってコンクールやフランス留学までしている!ところが他人とは思えない・・・霧矢さんや美弥るりかさんをみてるとすごくアン・ドウオールなので、演技をみたり脚をみたり手先をみたり拍手したりと忙しい。(・・・笑)

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舞台上も素顔もギャップがないし、やはり機転がきかないと芝居や生の公演は活きたものになりませんし
同じ公演でも一度としておなじものはありませんし・・・

そして壱城あずささんや如月さんにも実力相応な役がつきますように・・・。
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二人とも唄もダンスも芝居も身体能力もあるのに、オーシャンズではともかく(ここでも壱条さんや鶴見さんにはもっといい役がついてもいいはずです。あの芝居が初めてこの劇団をみた人が抵抗なくみられて人気の公演だったのは、主演の力だけではない・・・あまりふつうに眺めているだけではわからないかもしれませんが、テンポよく進むのは、礼真琴さんと3ジュエルズ3人が巧いからです。そしてラスティ(涼さん)、ねねさん、紅さんと(紅5の方々)、白華れみさん、真咲月さんと海隼人さんもいましたし。
もう違う星になってしまいそうです。





やっていること自体知らなかったけど、私はノイマイヤーの「ニジンスキー解釈」は違うと思っているので、早霧せいなさんの”ニジンスキー”を観に行けなかったのが残念。


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自分もピアノを約10年くらい弾いていたし(今はバッハのインヴェンションを指ならしすれば多少ひけるくらい)、娘もバッハで小学生のときにコンクールに出ていたことがあるので・・・瀬奈さんの「ラスト・プレイ」のピアノとコンクールと緊張とトラウマというのはすごくシンパシーを感じてしまうのでした。
この演目はすごく好きで、バージョン違いで3つも映像を持っています・・・。
繰り返してしまいますが、MAHOROBA のDVDが売り切れており、売り切れたら再版はしないという方針もよくわからないのでした・・・、中古屋的な隙間産業が利益を得るだけで、作ったかたや出演した方や売る側も視聴する側にも損失しかないと思うのですが、あまり気にしないのでしょうか。
・・・どうも、江戸から明治にかけて起源をもつ組織はわりと、時代のシステムをかみ砕いて採用していくのに対して、大正期から戦後すぐに起源をもつ組織は変に「伝統」(というほど古くない)と中枢権力の世襲化で気が付かないうちに重要なことをすすんで捨てていってしまう不合理さがときどき見受けられるので、なんとも残念というかときには無念、カフカの城的な無意味さを感じてしまうことがあります。

権限あるかたの判断で、多くのひとが道を間違うか抗うことすら抑圧される例は、少なくないのです。