ramaramaのyukiさんとご一緒しました。(後日記入)

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実は本展で初めて作品を観、はじめて知った作家さんでした。招待チケットをお送りくださったyukiさんに感謝。
そうでなければ、見逃していたでしょう。(yukiさんはガイドをされています)

絵画、オブジェ(彫刻 というよりは造形)、詩、写真・・:などで構成されており、展示室はキャプションがなく、作品と制作時期、すなわち作家の作品と造形を遡る・・・遡行できる構成になっている。

Girls Toward Horizon

地平線へと向かう少女たち

少女たちよ、大地に触れなさい
からだを横たえると
こちらの世界とあのよを
いききできるのです

girls, touch the erath
lying, you are in transit
bitween two worlds


(展覧会図録 より)

なぜか・・・天野可淡さんがもし30代で亡くならなければ(事故死、あるいは自死、こちらの世界とのわかれ)アーティストとともに作品も代わり、活動する工房もいくつか移転しながら広い場所で、愛好家たちだけでなく、共有しながら息ができたのでは、と感じてしまった。

息がつまる閉塞感、
あちらとこちらの境界線をみてしまったものゆえの、すべてを含む黒。
黒い光、顔のなさ・・・それゆえの「存在感」


つまり、ヴィサージュはないか壊れているか形をとどめないか、変容しつつあるものなのに、そこに確固たる存在がある、もの。エッセ・・・が、時に造形、彫刻? 絵、素描、山水画・・・とときとともに「うつりゆくもの」としてまとめて展示されている。

おそらく80年代の作品だけみても、現在の絵画だけみてもこの作家には近づけない。

この変容、作家とそして観る者の心性、観点、深層のメタモルフォーゼズがまとめて展示されている。

目も耳も言葉を発する口も閉ざされ(それも自らの手によって)遮断したい世界、しかし否応なく五感以上に感じ思考してしまう意識、こうした感覚が、グロテスクな形をとらず、また形をぎりぎりまでとどめながら、観る者をひきつけるのはなぜなのか。
異形のものを造形しなければならない作家たちの、世界との境界を皮膚で感じるがゆえの、作らねばならない力を感じる。

大地、土とのつながり、海とのつながり・・・環地中海圏、スペインで造形を学び、どこか日本の古代的な感性も入っている、どこまでが「顔」なのか・・・・消失、崩落、溶解しそうなまでの虚無から感じる「ヴィサージュ」や「存在」「人・・・(なのか)」これらをまとめて観、キャプションがなくときおりインストメンタルが流れる部屋にいるとき、
顔のない少女たちが動物や小鳥とともに横たわる部屋も、強くのこっている。
インプレッションは強いのだが、それは水のように、観る者(私には)吸い込まれて、満たしてくれた。

おそらく、作家自身が街角であった猫や、アルプスの雪やつららの純粋さが作品にあらわれているせいだからだと思う。

いまこの時期にyukiさんと観られてよかったと思う展示でした。

図録も販売され、展示室の詩も一緒によむことができます。


Black Painting

black
the color of nothingness
warm eternal color
the color for being the loneliest


無の色
暖かい無限の色
もっともひとりであることの色

(同図録より)



にこさんが亡くなり、電話やメール、お手紙もいただいていたけれどそれ以来初めてお会いできてよかったです。


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yukiさんのきゃんこちゃん(ペトゥルーシュカ)もやはり食事やお水がとれなくなっているとのこと・・・

にこは19歳と半年、よく生きたとおもいます・・・
ほんの数日間で具合がわるくなってしまったけれど・・・
ゆきさんにフォトブックもみてもらいました。




・・・同じフォトブックを、祖母の見舞いにいったときに会った叔父にみせたら
「寝てるときに火葬しちゃったんじゃないの? だめだよ焼き殺しちゃ」
などと冗談交じりでいわれ・・・・・・・
なんども書きますが、本当に実家の人間の基本的センスやモラル感覚のずれ、デリカシーのなさ、自己保身しか頭にない悪い公務員の見本(パブリシティが皆無で給与と休暇のことしか考えておらず、行政制度を役所内部署のはんこで処理して、モラルよりも不正受給してなにがわるいの、というような性質には、ついていけない・・・

・・・とても疲れます。

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竹橋門。

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ルビンファイン、イケムラレイコ展ともにおすすめの展示です。
北の丸公園から工芸館へいくのも。
(はしごできない性質なので、yukiさんから工芸館と常設展のチケットも譲っていただき感謝です)

写真は、次回展示 ヴァレリオ・オルジャティ(Valerio Olgiati)