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バーミンガムロイヤル関連の公演は新国立での「カルミナ・ブラーナ」などビントレー芸術監督の作品は見たことがあった。今回の来日公演はぜひみたい演目だったので、なんとか28日マチネの回に行くことができた。

アシュトンの振り付けの良さ、音楽性を大切にした丁寧な踊りだが、俊敏さ、パの正確さと形にするまでの早さが印象的だった。つまり明確な踊りなのである。演劇的な面も重視されているが、あくまでバレエは音楽とダンスの表現の丁寧さ、躍動感にあふれていて良かった。エリシャ・ウィルスも良かった。郡舞も美しかった。

「真夏の夜の夢」はメンデルスゾーンの曲と振り付け、筋、ユーモアと神秘性もあって、このカンパニーの来日公演で、シェイクスピア原作のバレエが観られてよかったと思う演目だった。佐久間菜緒さんも緊張されていたようだが丁寧な踊りで、コーダのときにはタイタニアを踊る重圧からも解放されてとても優美だったと思う。
パックとオベロンもよかった。この演目でも郡舞の統一感は印象的。

ところでドイツ語圏演劇を多少なりとも学んだ私からみて、この作品にもウィーンの妖精劇の影響や、生き残ったハレルキンの存在が残ってバレエ作品のなかに受け継がれているのだな、と感じた。それが嫌味なく取り入れられて、現実世界と非日常世界が円満となる役目となっているのがこの演目の魅力ではないでしょうか。

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写真2枚はロビーの花。美しかったので撮影しました。
日程的に見に行けるかどうか最後までわからなかった公演でしたが、テストあけの娘も(今回から学生券を利用)久しぶりに全幕バレエをみることができて、劇場に脚を運べて良かった。私自身も朝8:45の図書館開館にあわせて3時間ほど文献を読んだり、文章構成を考えたりしたあと、上野へ向かいました。


テストあけだったからかほかの学生さんも多くいたかもしれません。きっと皆貴重な舞台体験をしたでしょう。「真夏の夜の夢」はなかなか上演されませんし、合唱、音楽、バレエ、舞台美術、演劇や文学といった要素がある愉しい演目でしたから・・・。