「”世界を変える”とマルクスは言っていました。 ”人生を変える”とランボーは言っていました。わたしたちにとってこのふたつのスローガンは同じものなのです。」

アンドレ・ブルトン

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△ 写真は国立新美術館のテラスから撮影したもの。

図録を読んでいてまず心にとまったのはブルトンのこの言葉でした。
私にとっても、このふたつは類似するものなのです。
そして重要なのはこれらは「私たち」すなわち「私」と「他者」の生、生き方、あり方に直接にかかわるものでありながらも、スローガンとして強要はできないということなのです。

19世紀前半から20世紀のフランス文学を学んだ私にとって、この展示は特別な意味を持っていた。
ジョルジュ・ポンピドゥーセンター所蔵作品からの出品作品、書籍、ビラなど膨大な量の展示だった。

展示が決定された当初から注目していた展覧会だったので、5月の連休とはいえ2日しか休日はなかったのだが、脚をはこべてよかったと思う。当日は、Rineさんとご一緒できました。(今年中に名古屋で個展を行う旨も聞きました。)4月は緊張や疲労もあったので、5月らしい静かな風と光を感じられたひとときでした。

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写真は、購入した図録から「シュルレアリスム宣言」・・・宣言をともなう芸術・文学活動というのは、自覚的に行うという点が重要なことであり特性である。なぜならば、それが言語でまず語られるからである。
ロマン主義やシュトゥルム・ウント・ドランクなどと異なるのはその点である。
つまり感覚的なものに心酔するのではなく、批判的にそれを行うことが意識されているからである。

(そのため、なぜか3.11の震災以降、「感覚的に」ニーチェが教育テレビで扱われたりすることに、私は違和感を覚える。それはかつて、同じような過ちのもとに解釈された読み方ではなかったろうか・・・?)

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同じく図録から。後日記入になってしまったが、単独や画家ごとに開催されることの多いシュルレアリスムというジャンルを、文学史と芸術、テキストと造形ー映像の文脈の中で、観ることができた貴重な展示だったと思う。

”Transformer le monde", a dit Marx, "Changer la vie",
a dit Rimbaud, ces deux mots d'ordre pour nous n'en font qu'un."

A. Breton