大丸ミュージアムで開催中の「古代カルタゴとローマ」展に立ち寄りました。heyselさんから招待券をいただきました、有難う御座います。
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思っていた以上に、モザイク画がすばらしく、大型のものが5点以上ありました。動物の写実性、人物や植物との構成もすばらしく、「薔薇のつぼみを撒く女性」(5世紀)のモザイク画、「ネプチューン」のモザイク、ライオンと海の生物のモザイクと地中海美術の粋がみられます。モザイク画には、シャドウがあって、大理石によって自然なグラデーションがついていたのが眼をひきました。ちなみに西洋絵画で、初めてこのローマ以来のシャドウを描くことを復活させたのはジョットです。
それだけに、なんともいえない気持ちになりました。馬の躍動感も見事に表現されている色大理石のモザイク画です。

フェニキア文字のレリーフはとても浅く繊細に彫られていて、くさび形文字などとは違い...碑文も多く展示されています。先日はトリノ・エジプト展でアンク(おそらくラテン十字の原形?)をたくさんみましたが、この展示では女神タニトの象徴がたくさん彫られていました。タニトはバァルとセットで奉じられるオリエントの神です。ローマの多神教では、バァルは消失しました。理由としては、バァルが子どもの生贄を必要とする神であって、ローマではそれが受け入れられなかったことが挙げられています。
オリエント考古に興味がある人にとっては、その変遷も感じられる展示です。

ローマ時代のランプのコレクションが良かったです。
闘剣士や野獣のレリーフがあるデザイン的にも美しいものが多く飾られています。これのレプリカが欲しいと思うほど....

有翼の女神像も地中海美術をよく表しているもので良かった。
ハトをもっている。このハトがのちに精霊のハトになっていくのか?などと図像的な起源として興味深かった。

なかなか休みがなく、ポンペイ展にまだ行けていないのですが(ハプスブルク展には行きたいとは思わないのですが...)、カルタゴ展、お薦めです。このながれでエトルリア展もやって貰いたいものです。