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社会主義国なのに、文化継承と人々の心性が息づいているコミュニティ、それはやはり北の「私性」が暴走し独裁的利権主義的になった一つの社会主義という形とは別の可能性が息づいているからなのではないでしょうか・・・・
余談ですが、NHK50周年記念「キューバ」の特番で、アメリカ人ジャーナリストがキューバを取材しつつけている旨の番組を今年2009年春に見たのですが、アメリカのキューバに対する経済制裁措置は「物質的に貧しいキューバ」をあえて作り出すことで「資本主義帝国主義」としてのアメリカを対比的に「こうはなりたくないんだろう」と自国に云いたいがための政策なのではないかと思ってしまった。
マイケル・ムーアの「シッコ」を見たときも思いましたが・・・
話が逸れましたが、キューバ音楽、キューバの舞踏やバレエ、人々に惹かれ、それをかなり早い段階で云っていた村上龍だと改めて感じました。
「愛と幻想のファシズム」の「覚えておいて下さい。あなた方は基本的に、強い人間なのです(そうでなければ、生まれてきてはいない)」という生命の連鎖を思わせる台詞が高校生当時印象的だった。
吉見俊哉先生が、2007東京大学公開講座(秋)にて「限りなく透明に近いブルー」と「なんとなくクリスタル」(田中康夫)を比較して当時の文学批評では前者を評価していたが、実は、「なんとなく」アメリカを受容してしまい、なんとなく透明に文化が浸透してしまう戦後から現在の過程をじつによく表しているのは、「なんとなくクリスタル」のほうであると書かれていて、実にこれは面白い指摘だと思ったことを捕捉しておきます。
最近の村上龍の著作は未読だが、MSNのインタビューで”「オバマ大統領演説」の深夜時間帯にもかかわらずの高視聴率は異常、重要なのは今後彼がなにをするか、云うかを気にすることで流されてはいけない。アメリカの文化を何でも無自覚・無抵抗に受容していてはいけない、ハロウィンなど簡単に受容してしまうのが問題だ”、と云ってましたが、こういう商業ベースのイベントが対した文化的背景もなく受容される「世間」は私も違和感が大きいです。社会学観点からいえば、日本の季節行事は、農業を基本にしているので、農業が衰退すると自然に衰退してしまい、もともと文化的背景や起源が関係ない、「商業イベント」(商戦)のアバウトで本当の季節とは無関係の季節感だけになってしまうといわれています。
なぜかというと、軍事的征服よりも文化的征服のほうがはるかに影響が大きいからです・・・しかも、なんとなくアメリカ的な支配が「透明に・なんとなくクリスタル」な状態(なんとなく属州/政治的・産業的に)になって浸透してしまってもう批判すらできない状態になっているとするならば。
村上龍の話ばかりになってしまいました。
実は家人が大昔に「村上春樹の音楽図鑑」という本に村上春樹作品解説(当時の作品すべて)を書いておりまして、改訂版発行の際は私も少々編集作業に関わったことがあります。今でも図書館などにあると思います。
このブログトピックについて話したら、「別に村上龍と村上春樹は対立項ではないだろうに、対立項は島田雅彦だ」とのコメントでしたので捕捉しておきます。
その島田雅彦のゼミに知人がこの春から参加していて、学生に映画をつくらせるそうで、そういった「実験」を通しておそらく小説のテーマに反映させようというのかもしれません、普段ニューヨークにいる作家・批評家としては。
近年では、ブルータスに載っていた村上龍の「サッカーは地球を救う」のコメントが良かった記憶があります。主旨としては環境問題は南北問題であり、貧困問題であり、環境破壊や大量の薬剤散布をして数名で広大な土地を占有してプレーするゴルフに比較して、サッカーは「そういった」スポーツではない、と。
短い文章だったが、思わず読んでしまう力がある、そういう書き物をする人だと感じます。
村上龍の小説でいろいろな意味でお薦めしたいのは1969でしょうか。
長々と書いてしまいました、しかも随分と間が空いてしまいました。前回少々触れた不調と月末の忙しさ、とはいえ日々想うことはあるのでなるべく文章化できればいいのですけれど・・・

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★キューバの国立劇場、街並みと人々、暮らしに溶け込む音楽と踊り、なども魅力。心打たれる。ホセ・マニュエル・カレーニョの「ディアナとアクティオン」、いとこのプリンシパルダンサーのディアナ、黒鳥のオディールの映像も素晴らしい。

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もう一度観たかった「トレチャコフ国立美術館展」が今週中で終わってしまいます。6月は比較的余裕がある月の筈だったのに....という感じです。時間は「つくらないと(捻出しないと)ない」と思う日々ですが、なかなか難しく感じます。・・・

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