
藤十郎の恋(とうじゅうろうのこい)
坂田藤十郎 扇 雀
若太夫 歌 六
丹波屋主人 友右衛門
澤村長十郎 芦 燕
宗清女房お梶 時 蔵
話題とみどころ
密夫の役を演じることとなった坂田藤十郎は、初日が迫るものの、役作りが出来ず頭を悩まします。そこで藤十郎は、幼馴染で人妻のお梶に偽りの恋を仕掛けることを思いつきますが…。
扇雀の藤十郎役は姿形も演技も申し分なかった。上手い。台詞も聞きやすく、お梶の時蔵とのやりとりの妙は見ごたえあった。時蔵のおさんも見ているが、時蔵の役の解釈がとてもリアリティに根ざしてもので見ごたえがある。
どういう人物か、それを理解してるから解りやすく、演技の美しさも見ごたえがある。扇雀の上方歌舞伎(世話物)は今後も要チェックだと思った。
芝居は芝居の舞台裏が舞台設定になっているのでそのあたりの二重性も面白い。
舞台装置は最初、茶屋の座敷で、まわり舞台から廊下づたいに奥の間へ歩いていく籐十郎、時間と距離の演出がみごと。雰囲気あります。行灯や灯篭の灯かりも効果的。
見ごたえのある舞台だった。
二、 坂田藤十郎襲名披露
襲名披露 口上 鴈治郎改め
藤十郎
幹部俳優出演 (雀右衛門、梅玉、幸四郎、吉右衛門、福助、扇雀、かん雀ほか)
扇雀「裃のいろも緑から紫へとかわり、中村から坂田と姓もかわりまるで親子の縁がきれたような(笑)成駒屋の伝統から開放されてすこし羨ましい気もします」
かん雀「70を超えた襲名でなんと勇気のある父でしょう(笑」
幸四郎の口上も面白かったですよ。
三、 伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)
御殿/床下/
【御殿】 乳人政岡 鴈治郎改め
藤十郎
八汐 梅 玉
松島 扇 雀
千松 初舞台
虎之介
澄の江 壱太郎
沖の井 魁 春
栄御前 秀太郎
【床下】 仁木弾正 幸四郎
荒獅子男之助 吉右衛門
話題とみどころ
お家横領を企む仁木弾正らは、幼君・鶴千代の命を奪おうとしますが、乳人政岡が若君守護に努めています。しかし管領の奥方の栄御前が将軍家下賜と偽り、毒入りの菓子を勧めます。これを政岡の子・千松が食して、鶴千代の危機を救います。ひとり残った政岡は、千松の遺骸を抱き、その働きを誉めて、泣き伏すのでした。一方、御殿の床下で荒獅子男之助が追う中、仁木弾正は虚空の中へと消えていきます。
栄御前の秀太郎と梅玉の八汐がなかなかに凄みがあった。梅玉は今まで義経や大名などしかみたことがなくて「女形」のイメージはなかったけど迫力あり良かった。
藤十郎の政岡、新聞ではほとんど動かずにその凄みで演じるとあったけど、熱演でしたよ、涙で目に入れた朱が流れていましたね。
腰元の大勢さんのなかに芝のぶさんが。またいいお役で出られるときに見に行きたいです、相変わらずきれいなのですぐ目立つ。
床下
舞台転換がみごと、大道具がせりあがっていくのが面白い。
吉右衛門、迫力ありました。
幸四郎、3階席だとすっぽんから出てくるところがわずかしかみえず、その後も演技も見えなくて、ひっこむ前にちょっとだけ見えました(笑)
でもそれだけでも見えてよかった、というくらい存在感ありました。
四、 上 島の千歳(しまのせんざい)/下 関三奴(せきさんやっこ)
『島の千歳』 千歳 福 助
話題とみどころ
新年に相応しい御祝儀曲で、白拍子の始祖・島の千歳が蓬莱山の様子に始まり、汲めども尽きぬ若水のめでたさを祝して舞い納めます。
福助の白拍子姿は凛として衣装も映えてよかったです。
特に手踊りになったときの手先のきれいさが印象にのこる。
オペラグラスでよくみてもキレイにみえる女形のひとはいいですねー。
思ったとおり楽しめた舞台でした。
『関三奴』 奴 橋之助(赤塗り) /奴 染五郎 (白塗り)
話題とみどころ
二世関三十郎が初演したところから、関三奴と称される作品で、毛槍を使っての賑やかな踊りが見どころとなっています。
最初は染五郎をよくみていたのですが、奴おどりの橋之助の脚捌きが見事!
軽々と毛槍をなげたり、観ていて楽しいにぎやかで軽快な踊りでした。
今年は中堅どころ(といっていいんですか?)の活躍を更に見たい気がします。
食
今回も弁松さんのお弁当を買いました。芋焼酎水割りを事前に購入して幕間に食べました。おみやげに日の出さんの手鞠寿司と歌舞伎座でかったしいたけ茶が美味しかったのでまた購入しました。次はおみやげにござ衛門寿司を買いたいな。
コメント
コメント一覧 (1)
この日は歴史的?な襲名口上をみるためか子供づれも多く見受けられました。