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日本銀行、通称日銀は日本橋にあります。江戸時代「金座」があり、幕末までここで金貨が作られていた。
「日本銀行は、1882年、永代橋(日本橋箱崎町)にあった建物を利用して開業しました。1896年、辰野金吾設計による、日本銀行本店(現本店(旧館))の建物が完成し、現在の場所(日本橋本石町)に移転。辰野金吾は建築家ジョサイア・コンドルの弟子で、東京駅丸の内駅舎などの設計も手掛ける」(貨幣博物館リーフレットより)

先日、日本橋界隈の古典様式建築について写真を載せましたが、貨幣博物館について。
旧館にほぼ隣接するように、別館がありそこに貨幣博物館があります。2015年リニューアルオープン。
「古代から現代までのさまざまなお金やお金に関する絵画、道具などを収集し、研究してきました。実際に使われてきた本物のお金や研究の成果をご覧いただくことにより、お金の歴史や役割、お金と文化・社会とのかかわりを考えていただくきっかけとなれば幸いです」

日銀はその名の通り、首都高箱崎JCTを通る際に見えるのだが、その建築は古典様式、もっというと2階にわかれた各階が意匠がことなるデザインで、ドームを持つルネサンス式かつ石積みなので、フィレンツェの古典様式好きには見どころが多い建築です。
フィレンツェのフィオーリ金貨の歴史や経済史を見ると、貨幣を通じて人と人、人ともの、生活、そこから価値観が見えてとても面白いのです。この貨幣博物館も古代7世紀からの日本での貨幣や交易の様子がわかって大変面白いです。

古代(7世紀半ば-12世紀なかば)中国にならい、律令に基づく中央集権国家の建設を目指した
金属性のお金(銭貨)が発行される。例)富本銭

中世 12世紀半ばから16世紀後半
中国から流入した渡来銭が使われるようになり、商品経済の発展とともに浸透

近世 16世紀後半ー19世紀後半 
例)天正菱大判(16世紀後半) ・1600年頃伊勢で最初の紙幣が発行される(山田羽書) 江戸時代は藩札
  元文小判(1736年)
江戸時代。幕府により金貨、銀貨、銭貨が発行される。日本独自のお金が全国で流通する。

近代 19世紀後半から20世紀 例)20円金貨

新しい貨幣制度を整えて、統一通貨「円」が導入される。日本銀行が発行する銀行券が全国で流通するようになる。

最初の日本銀行券、大黒札。

展示の工夫もあり、各時代にお金の使われ方が展示されているコーナーがある。
たとえば江戸時代の蕎麦屋のおしながき。あんかけそばやたまごとじそばが一体いくらだったのか。

興味があるのは、かなり貨幣が流通していたのに、一旦、貨幣ではなくて米単位に経済単位がもどってしまうところがあるのです。このあたりは、どこか、他の歴史でも断絶がおきている時代ではないだろうか。もう少し詳しく知りたくなりました。

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政府紙幣は1881年に発行されている。それまで縦型だった紙幣が欧米の形式を取り入れて横長に。
肖像画が印刷される。

四角い銀貨の明和二朱銀などもあります。18世紀後半。

日銀になってからの歴代の紙幣などもあり、肖像画のパターンをみていてもそのシンボル選定がなんの意味をもっていたのかということもあわせて面白いです。終戦後にいきなり聖徳太子などからヤマトタケル(!)に変わっていたりします...。ずいぶんと極端な...肖像画にするのか、と思いましたけれども。このコーナーだけでもかなり見ごたえがありますし、じっくり見てもあきません。

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食事の後散策ついでに行ったのですが、また行ってこようと思います。
FBで先に行った旨を書いたのですが、結構興味がある方がいらして。ここはおすすめです。


三越前駅が一番近いですが、日本橋駅、東京駅の日本橋口からもいけます。


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現在周囲を工事している本店の旧館。

昨年は、日銀旧京都支店の建築を見学してきまして(ルネサンス研究会時)このblogにも記事があります。http://www.bunpaku.or.jp/bekkan_outline/kenchiku/

辰野金吾設計の建築は他に奈良ホテルもそうです。こちらも記事があります。

あとでリンクを追加します。

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