2016年12月の記事に書いたが、放送大学の講座において堀江聡先生が新プラトン主義および神名論の講座を行い参加した。(ルネサンス研究会から戻る日だったので、京都から東京駅、そのまま茗荷谷へ移動)
その続きあるいは関連事項として、新プラトン主義の9世紀以降のアラビア語圏での展開についてお話しを再度してもらえないかという話になり(懇親会にて)、堀江先生が私が主催している講座 勉強会(言語文化研究)にてお話ししてくださる運びになったのが1月半ばごろ。

この日は2012年に堀江先生が書いた論文、「アラビア語一神教によるプロティノスの改変に向けて」(岩波書店)および国際基督教大学での講演記録の2種を用いて勉教会を行った。
14時から17時すぎまで、論文の内容を中心に、つまり、アリストテレス哲学で神秘哲学が可能なのか、あるいはプラトニズムにおける偽書のようにアリストテレスにも偽書があり(未だ作者不明)断片としていくつかの著作があるものなども検討する話題となった。

すべてを書き残すことはできないので、(整理はするつもりであるが)記録として、あるいはこのblog記事をお読みになり、ネオプラトニズムやアリストテレス、さらにはプラトン対話篇を学びたい学びなおしたいと思われる方もいるかもしれないし、西洋哲学は西洋だけで完結していると思う向きもまだまだ根強いとは思うので、少々まとめてみることとする。

まずは、堀江先生の論文を少々引用してみよう。

「9世紀バクダードで成立した『純粋善論』が、クレモナのジェラルドによって12世紀にトレドでラテン語訳され、『諸原因の書』(Libre de causis)と題名変え、アリストテレス作として数世紀にわたり一世を風靡した。」

覚えやすいようにこの系譜をまとめてみると、つまり9世紀から12世紀のクレモナのジェラルドの間には西洋哲学は身を潜めている。水脈としてかすかに残っているがそれはここでは立ち入らない。それはそれで重要であり、私としてもそのあたりを研究している...(進行形)のである..

9世紀はアル・キンリ―、10世紀はアル・ファーラビー、11世紀はイヴン・スィーナ、12世紀はイブン・ルシュド(アヴェロエス)となる。
アヴェロエスやアル・ファラビー、イブン・スィーナなどは聞いたことがあるかたも多いであろうし逸話も残っている。




全文はこの岩波の三巻に収録されているので、ぜひお読み頂きたい。


       


堀江先生にエンネアデスのオクスフォード OCT=Oxford Classical Text版の原書をお持ちいただいたので写真をとらせてもらいました。

参加したのは、ギリシア語学習会(放送大学では数学)の小又先生、プラトン研究や勉強会の先輩のEさん、同じく講座でよくお会いするTさん、三田会かつ同窓会同期の陽子さん、前回の新プラトン主義の講座運営されたKさん、昨年電気通信大の院を修了して現在はエンジニアのM君、来春から大学生のAさんほか13名ほどで夜の8時頃まで哲学やプラトニズム、プラトン対話篇などの話で盛況だった。昨年亡くなられた熊田先生の話や大学における哲学研究、また堀江先生がピサやドイツに留学していたころのお話もふんだんに聞くことができた。 
2017年3月19日  14時より
言語文化研究  


この週は私が腸炎で完全ダウンしており(・・・)前日の夕方から早期退院してなんとか会を開催できたのだが、やはり読んだり言葉の力は凄く、開催中はとても集中して思考が働いた(ほう)だと思っている。

いくつか整理しなくてはならないのだが、まずは記録しておきたいと思う。

 



この本は新宿のブックファーストでみつけて即購入した本、発行当時だと思う。

ご参加頂いたみなさまありがとうございます。