「・・・・・三年前の夏のことです。僕は人並みにリュックサックを背負い、あの上高地の温泉宿から穂高山へ登ろうとしました。穂高山を登るのはご承知のとおり梓川を遡るほかはありません。・・・・・」

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芥川龍之介 「河童」 の一節。
この作品の舞台になっているのは、上高地の河童橋である。
英国人牧師ウェストン氏が世界に紹介してから、この場所は景勝地でもあり観光地でもあり、それでいて自然探究もできる場所。そして何かしらの神聖さ、あるいはコスモスを感じることができる。

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芥川龍之介は読み返したいと思っていたのだが(木ノ本嶺浩一人芝居の後特に)ibookで電車の中や室内でよむのではなく、静かな書庫でじっくりと読み返したいと思っていたので、先日三田のメディアセンターへ。
地下ニ階の静まりかえった書庫で、文章を読んだ。

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風穴の里<道の駅で休息。環境庁による地図が解りやすい。
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今回で3度目で、上高地は昨年の夏ごろから再度行きたいと思っていた。
一度目は白馬から、二度目は志賀高原から上高地へ行き、今回は安曇野からのアクセス。
(時間がかかるので、次は時短のために列車でいきたいところ...)

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分別ごみダストボックスもこの凝りよう!思わず写真とってしまいました。

(この旅行は会社の部内旅行で行ったので指をさしているのは、スタッフのMさんです。光学、発行体、電気回路などが専門研究)

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冷やしプルーンSを50円で買い、そのまま食べる。
大きいプルーンも立派でした。桃、すいかなどフルーツが豊富。



それにしても....やはり芥川龍之介は文章がうまい。当たり前ですが、まったく古さを感じない。
同じ位の時代の他の作家と、あるいは現代の作家と比べてみても卓越している。一体何が?
それは芥川が英語が堪能だったということもあるかもしれない。漱石もそうなのだが、三島由紀夫も然り、英語が飛びぬけて堪能なのだ。他言語と言葉がもつ時間の超越性、非物質ゆえの本質。ことばの生命。
こうしたものは、多言語をとおして自国語、母国語すなわち日本語へ還元されていくようにも感じる。

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再度写真を。河童橋より手前。

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田代池、大正池ほかはまた別の記事にて。

モバイルがあまり調子がよくなく、・・・・写真やデータを整理しなくてはならないことを痛感。

パソコン、地下鉄やJR、街の喧騒と雑音(機械音)から逃れて山や海へいくことはもはや必須のようにも思えます。植物を育てたり、比較的自然も残る市街地に住んでいますが、あまりにも自然の力から遠ざかっている。

目的から逃れた時間が、目的因ではない時間や行動が旅や自然探究散策などで必要だと改めて感じる。

植物や川の流れ、水の音、風の音、風景の発見。

完全に近代病っぽい厭世感がある自分。しかし、さすがに芥川が河童橋近くに滞在していて「河童」を書くような心境、気分にはならなかったですね...そこまで疲れてはいないということなのか、もはや、その時点を飛び越えてしまった疲労感なのか!
なんだろう。私は幸いなことに、人の世が絶望的な状況にあっても、それとは違う時代、場所、思考、思想史や美術史に出会えているのでそうならないのかもしれない。


旅行記というよりも、モノローグに近くなってしまいました。

なぜ河童橋の写真をUPしていないかといいますと....私は計算しつつ歩き、植物の写真などをとったり、眺めに一瞬佇んだりしながらあるいていたのですが(※目的因ではないから山や海、湖で過ごす時間は特別なのに)やたらと急かされたりで、まったく写真がとれていないのです!嵐山で渡月橋の写真がろくにないのと同じ状況をお察し下さい....あるいは、バリ島でまったく私が休めなかったのと似ている状況というか...

将来時間ができるようになったら、風景画を描きたいものです。





河童 他二篇 (岩波文庫)
芥川 竜之介
岩波書店
2003-10-17



河童
芥川龍之介
Kindleアーカイブ
2014-10-28



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