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ルーブル美術館展に行ってきました。
より詳細に展示作品について覚書を書いていきたいと思う。

まずセクションは プロローグ「すでに古代において」・・・ プロローグ「絵画のジャンル」・・・第1章「労働と日々」(商人、働く人々、農民)・・・第3章「雅なる情景」・・・第4章・・・日常生活における自然ー田園的。牧歌的風景と風俗的情景・・・第5章 室内の女性・・・第5章・・・第6章アトリエの芸術

となっており、これだけみてもART・美術好きなかたならば充実さが想像できるだろう。

実際に観にいって良かった作品から書いていこうと思う。一部コメントも含む。
写真はバイリンガル(日本語 フランス語)の図録。通常版もあります。
しかし、もしこれらの内容について印刷も良質で日本語とフランス語で書かれている本をもし書店で購入したりAmazonで購入しても6000円前後はする。バイリンガル版は3700円です。個人的には、そしてフランス語が多少なりできる方ならおすすめする内容だと思います。

前記事で書いていた、ルブランの大作を含む「絵画ジャンル」から書いていきたい。

シャルル・ルブラン(Charles Le Bran) <<キリストのエルサレム入場>>
(写真のポストカード下)152×214cm 17世紀

歴史画の特徴は、歴史的な題材ですが、(歴史、文学(新訳旧約の聖書、ギリシア神話、ローマ神話、アレクサンドロス、ヘレニズム時代、アレクサンドリア等の学術科学的なものも含む=そういった題材を好む知識人・王族・宮廷人・市民階級含む向けかつ、画家はそれらの注文に応える教養と知識が必要。
人物をかき分ける、動作、表情、衣服・動植物、建造物、風景、精霊天使女神英雄など上位存在の特別感も描くことができる。こうした理由から、絵画ジャンル、おもにサロン(アカデミーとサロン時代)ではもっとも上位におかれた。

ルブランの時代、絵画彫刻アカデミーは、フォンテーヌブロー派やフランス美術創生期(イタリアからフランスへ呼ばれたロッソ・フィオレンティーノらのマニエリスムの画家)を経て、軍事中心の野蛮なフランスから文化的な国家を目指していたのであって、それはメディチ家時代のフィレンツェやレオナルドの<岩窟の聖母>を有してしたミラノ、ローマ等への憧憬とそれを超える文化をつくらねばならないという意欲あり技術ある時代だった。
どこに注目してほしいかは前の記事に書いてあります。ご参照を。
ルーヴル美術館展 (於:国立新美術館・乃木坂・六本...

この作品、すばらしいのですが、印刷で再現できるほど小さいものではなく色彩も調和的であって実物をみなければならないし、チラシには載っていない!
しかしルーブルに行ってみなければならないのはルブランやプッサン、ロランから新古典主義とロココの一部の画家です。



同様に重要なのは、古代のプロローグの最後に展示されている、ジョセフ=マリ・ヴィアン。
<<アモルを売る女>> 1763年。

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籠にアモルがおり、その羽は白、赤、青である。プットーのようでもありケルビムの羽のようでもあり、三色がフランスの色である。机の上には金属、ガラス、香の煙、花々など静物要素もある。
ギリシア風・古典期の装束をまとっているが装飾品は簡素であり、そこに書かれているのはフランスの貴婦人風である、ただし、髪型はギリシア風で青いリボンがあみこまれており繊細で美しい。

写真は書斎に飾ってみたところ。

室内の装飾も古典建築のモチーフがある。
当時はナポリの古代遺跡が発掘され、何度目かの古代憧憬になっていた。ロココ(フランスのバロックがロココ・ロカイユの装飾)から新古典主義へむかう作品かつ、絵画としても美しい。
当時でも評判の絵画だったという。

この作品もじっくりみてほしい。

ヴァトーの雅宴画やフラゴナールの作風の変化など、アカデミーの技術、マニエラから離れていきつつ、美術史では必ず学ぶ傾向もかいておくべきなのだが、大切なことをあといくつか。

肖像画 ;当時は写真はない。人は死に、面影も身体も残らない。だから肖像画を画家に注文して制作した。
フランソワ・デポルト
<<狩人としての画家の肖像(自画像)>>
画家が自ら書いたとされている。肖像画として重要なことは、リアリティの追及よりも多少の理想化を含む人物、しかしその質感や材質、色、意匠まで一目でわかるくらい正確にかかれた衣装の表現。
宝石や装飾の輝きの再現。
また狩りの得物も(いずれは消える)ので肖像画に描かれることも多い。
この作品では二匹の猟犬がおり、この犬たちの生命あふれる様子と対照的な、うさぎ、鴨、雉等狩りのえものたち、死した動物の身体。その毛並、羽毛、動物のリアルな様子が死とともに描かれている稀有な作品。

よくよく観て特徴をつかみ、教科書や美術入門書、アカデミア美術館のジャンル説明などを実際に再現したような本当に貴重な部屋。

中高生は期間を限定して無料で公開されており、こうした本物の、秀逸な絵画、フィニ(筆跡のない・神々がふれたようなタッチのなさ)絵画芸術の神髄を観られるセクションだと思う。

クロード・ロラン(クロード・ジュレ Cloude Gellee) <<夕暮れの風景>>
クロード・ロランは厳密にいえば風景画家ではなく歴史画家である、しかし彼が風景に特別な創作欲をみせており、風景がメイン、主題(歴史的な一場面、ギリシアローマ神話的な)はほとんど小さく描かれるのみである。
当時からクロードの作品は人気があり、贋作が出回ったために、ロラン自身が「真実の書」という自分の作品目録集(これ以外は自分は書いてないという証明)がでたほどである。

ちなみに、国立西洋美術館(常設)にもロランはある。
私はロランが好きなのでよく眺めにいく。

ル・ナン兄弟もいくつか出品されており、アンニーバレ・カラッチも大作が来日している(こちらはチラシにも掲載されている)

まだまだ、印象的な作品が多いのだが、今日は最後に、今回初めてみた作品・画家を最後の画家のアトリエのセクションからいくつか。

レオン=マチュー・コシュロー
<<コレージュ ド カトル ナシオンにおけるダヴィドのアトリエの情景>>
1814年
In the college de quatro nations

オクターヴ・タサエール<<アトリエの情景>>
1845年 

葉書も買いましたが、室内に飾りたい絵。



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フェルメールとここに書いた以外の作品についてはまた別の記事で。


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