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人形屋佐吉店主 マリア・クオーレ主催の片岡佐吉さんよりお葉書を頂いたのが11月初旬、入院オペ前には果たして足を運べるか危惧していましたが、音羽 鳩山会館での展示に行くことが出来ました。
晴れた日で大正ロマンをテーマにした作品展と場所を鑑み、緑の小紋に橘の帯で出向きました、早い時間から開館していた企画展で仕事前の身内に付き添いを頼みタクシーを護国寺から使いながら…

鳩山会館自体が建築好きな私は大変に素晴らしい場所でした。そして二階の企画展示のお部屋に入った途端に精神的な私自身の還る場所、空間、と感慨深く…、退院後もいろいろな痛みや不安が少なからずありましたが、天野可淡さん、恋月姫さん、秋山まほこさん、四谷シモンさん、…初めて青山のいまはなきアンティーク街の人形屋佐吉さんであって以来、私が15歳くらいのときに、写真家で洋楽や美術巡りをしていたきょうちゃんと行ったのが最初…
また作品たち…、否、作家さんたちが魂をこめ生み出した彼ら彼女らに、また会えたのだ、と感無量な心もちになりました。佐吉さんにもすぐにお会いでき、腰や体調を本当に案じて頂きました…、私はドライフラワーといま咲いているバラ、オリーブ、ブラックパールプランツなどを朝コラージュして作った花を、すぐに飾って頂けました。花は枯れても生命が消えるものではないし、なにか手向けたかったのです。それを直ぐに解って頂けたのもうれしいことでした。
明るい日差しの柔らかな日差しを受けて、しばし時が止まる貴重な空間に居られました。本当に、手術をしてここにこれたことを嬉しく感じました…。イコンや聖像、ブリュー、それから横井まいこさんの今回のための新しい絵画、今年、佐吉さん宅での新年会以来再度間近に観られた浅野信二さんの フォルトゥナ。

山本タカト氏の独特の受胎告知、それから佐吉さんのお部屋を思い起こす、横井さんのマリアの王国、なども観られ。
休みながら観て頂戴よとお声掛けて頂けたので、やはり術後の大変さを理解してくださったのも有りがたく、休みながら限られた自分の時間をフルにつかいながらゆっくり目に焼き付けてきました。以前は精神と物質の境界線は、等々考えたりもしていたのですが本当になにか魂そのものに、また会えたのだという自然な感覚があり、静かに真の幸福を感じられた、と思います。
今年の1月に佐吉さん宅にお招き頂き、あれからもう一年早いねと話しながら。
しばし書くのを休むといいつつ、舌の根も乾かぬうちに、という感じですが、本当に特別な時間でしたし、書き留めておきたいと思う次第。
日差しが少しずつ傾くと瞳はまた透明な意志をもつ光と生命を写し…、
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部屋を出るさいに見送って頂けたのも感謝です。