古代ギリシア人―自己と他者の肖像古代ギリシア人―自己と他者の肖像
著者:ポール カートリッジ
白水社(2001-08)
販売元:Amazon.co.jp
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大英博物館より古代ギリシア展が2011年7月(神戸では3月から)開催されます。アテネに行きたい(いきたいというよりも、行って確かめたい、という切実な感慨ですが・・・・)と思う私にとっては大変に気になる展示です。大抵大英博物館からの展示というのは、都美術の狭い展示室でおこなわれてきており、混雑+作品自体が大きいのでろくに観られないというフラストレーションがありますが、今回は国立西洋ですのですこしはゆったりとみられるのでは、と思っています。
展示タイトルの THE BODYというのは少々、古代ギリシア彫刻や美術を語るさいにニュアンスがことなるのでは、という気もしますが。
なぜならば、それは身体を造形しながらも、それと同時に精神のあらわれ、あり方などを表しているから、ではないでしょうか・・・。2世紀のエロース像も展示されるようです。ローマ時代の摸刻もさることながら、前2600年ごろの後期スペドス型女性像なども出品されるようです。

古代ギリシア、という一般的イメージ、古典期の美術、ペリクレス時代のギリシア、もっといえばギリシアとは何なのか。いくつかの書籍に目をとおしてから観るとより充実した機会になるのではないでしょうか。
ギリシア美術 (岩波 世界の美術)ギリシア美術 (岩波 世界の美術)
著者:ナイジェル スパイヴィ
岩波書店(2000-12-22)
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ギリシャ美術史―芸術と経験
ギリシャ美術史―芸術と経験
著者:J.J. ポリット
ブリュッケ(2003-10)
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ギリシア悲劇―人間の深奥を見る (中公新書)
ギリシア悲劇―人間の深奥を見る (中公新書)
著者:丹下 和彦
中央公論新社(2008-02)
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ギリシア悲劇―神々と人間、愛と死 (講談社学術文庫)
ギリシア悲劇―神々と人間、愛と死 (講談社学術文庫)
著者:川島 重成
講談社(1999-09)
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今年は参加したい、行きたい、と思った講演、展示、公演にもあまり脚をはこべませんでした。以前講義をうけた長谷部先生、神崎先生のお話がきける機会だった11月の史学関係の講演もいけませんでしたし、バレエや美術、考古関係のものもあまり参加できず心残りもあります。
古代ギリシア展には脚を運びたいと思います。
そしていつか、機会をつくりアテネとデルフォイへ行きたいものです。
なぜかその場所へ立つと、息づいている何かを感じられるものです。
(と個人的には思うことが多い)
ローマの石とロスアンジェルスの石をどうして交換することができましょう、ということばがありますが、その都市、場所で生き、考え、活動しそこで死んでいった人の魂(sprit)の断片は、身体の生死とはまた別の意味でいき続けていると思うのです。