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YOU LOVE US で始まり、A DESING FOR LIFEの余韻で終わる約2時間近いライブ、素晴らしかった。途中ジェイムスのアコースティックによるSTAY BEAUTIFULでも観客のほとんどは歌詞を覚えており、デザイン・フォー・ライフ、IF YOU TOLERATE THIS YOUR CHILDREN WILL BE NEXTでもそうだがコーラスがおきたほどだった。それくらいに、初期からのリスナーはもちろん、単独ライブを切望していたマニックスの来日公演だった。ジェイムスは、日本に帰ってきたと話し、今夜は本当に素晴らしいステージができたとステージ上でコメントしたけれども、実際この日のステージに集まった人にとっては特別だった。ニッキーは初来日でクラブチッタ川崎で演奏したときのことを口にし、リッチーをジーニアスな人とコメントしたときに特別な感慨をそこに感じた。
初来日したとき、次の渋谷でのステージのときも私は観に行っているが、そのライブのとき以来、彼らが感じている「日本のリスナーは歌詞を覚えて意味を考えて聴いてくれている」という気持ちを再度彼らも感じただろうし、私も実感したステージだった。
マニックスは詩が先行しているバンドなのであって、彼らがロック・ミュージックに対して特別な距離をもっているのも意味がある。「売れること」「有名になること」、英国で1位をとり、ベストライブアクトに何度も輝きながらも持続するのは彼らがもっている「生の意味」「言葉の意味」の「実践」でもある。言葉から生まれ、行動し、そこへ還っていくことの意味を見る重いがする。EVERY THING MUST GO ...この言葉でどれだけの人がそれでも前に進まなくてはならない(キルケゴールの言葉を思い出す)と思い実行できていることか。彼らの演奏する姿をみて、言葉と音楽と活動自体が一体化したものをみる想いだった。そして観客もまた「聴く」という受身の行為ななはずなのに、そこから意志を分有したり、思い返したりできるのだ...
私は前から4列目くらい、ニッキー・ワイア側で見ていたのだが、本当に素晴らしかった。
デザイン・フォー・ライフでライブが終るのは・・・それは「終わり」ではないからなのだ、と私は思っている。この曲はただ聴くとか歌うとか演奏するというものではない。彼らは演奏という実践(プラクシス)を通じて、観客は聞くという(観照)から明日以降・・ステージが終った後は「我々」がそれぞれの実践を行う番なのだ、という意志の直接の伝達を彼らが投げかけているのだ、と感じる。夥しいライトの光と残響の余韻の中で彼らが立ち去り、私たちもその余韻の中で立ち去る、それは「終わり」ではない・・・日々とアーティスト、観客との連帯はそこに在るもの、なのだと私は感じる。

そして彼らの言葉や音楽を共有できた空間がすばらしかっただけに、それぞれが切り離されている社会というものがどこか残念に思う。同位、類似するもののつながりと自分だけがよければ他はどうでもいい、変わる必要などどこにもないと思うこととは無縁なスタンスをもつ人がWEという人称をもつようになるときから少しずつ何かが良くなるものなのだから・・・

個人的に本当に多忙な状況で日常をやりくりするのも大変なときだったが、無理して脚を運んで本当によかったと思う。横浜公演は行けていません。

正確なセットリストはわかりませんが...新譜からは3曲程で、1ST SND 3RD 4TH 5TH 6THアルバムから、長く聴いている私としてはとても充実したセットリストだった。覚えているものを挙げておきたいと思います。

YOU LOVE US 
post card from young man
Motorcycle Emptiness
If you tolerate this your children will be next
la tristesse durera
You stole the sun from my heart
TSUNAMI
Faster
Sucide is painless
Stay beautifull
roses in the hospital
everything must go
motown junk
ocean spray
A DESIEN FOR LIFE

some kind of nothingess ?

確実に覚えているのだけでも15曲、ですから計18曲は演奏。
ニッキーの笑顔が印象的だったし、We WELL BE HAPPY というEVRYTHING MUST GOの一節は60年代後半から70年代後半に生まれたであろうほとんどのリスナー、世代間格差というものが実際にあり、だからといって悲観的な気分に浸ったり羨んだりすることで解決することを由としない立場、帝国主義的な経済、ネイション、構造、および非生産的な力のあり方、不正へ対して迎合できない立場からのすべての想いだと私は思っている。
STAY BEAUTIFULLとDON'T BE EVILは対になっている言葉なのだと私は考えている。それは常に問われるべき在り方の問題なのだ。

♪ la tristesse durera のVP視聴