思考の潜勢力 論文と講演思考の潜勢力 論文と講演
著者:ジョルジョ・アガンベン
月曜社(2009-12)
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アガンベンと「潜勢力」ということば結びついたこの論文集をみたとき、読まねばならないと思った。プラトン第七書簡、アリストテレス、ベンヤミン、アガンベンのテキストは、古代(アテネ古典期)から中世、ルネサンス期までに潜む支配の力(透明化された・・・・通常に生活しているうえでは疑いようもない体制そのもの)について『オイコノミア』でも語っている。

これは個人の臆見なのだが、十代の頃バタイユの「不可能なもの」「ドキュマン」などを読んでいた(その後、フランス文学の20世紀ではレポートも書いた。)第二次世界大戦を通じてバタイユが、「不可能なもの」とした領域をさらに推し進めて言葉で語られる了解の地平、そこへ光が差し込んで明らかにしてゆこうとするテキストである。

私たちの意識、非支配力、受容などは起きている間の無意識のようなものではない。
眠りは「小さな死」だが眠っているときの無意識に近いほとんど人が指摘できないような受容の仕方、思考そのものの潜勢力、・・・こうしたものがいかに自己と他者と社会構造自体に入り込んでいることか。

アガンベンについていずれ誤解ではない了解へと導かれてたらよいと思う。


さしあたり、どのようなときですら、生き死にや生活そのものに関することがらや、そこから離れた本来的な作業まで循環するように、それでいてその時点でより善い状態にもっていくことを念頭にしている日常である。・・・・・・・・・・・・・・・

日記としては、全粒粉パンを焼きました。カポナータも茄子ズッキーニ、トマト、たまねぎでつくり暑いので冷やしてつくっておきます。
何かしていないと、どこかいたたまれない、のです。料理をしたいというよりは、書き物や思考をまとめれられないとき、手仕事をすることで代わりとしているようなところが昔からあります・・・

アガンベンは「私はできる」「私はできない」ということは何を表しているのか。(できない、と想定することは、できることが困難だから、または耐え難いほどのことだから、そういうのか。)

問うこと自体によって、現れる問題がいかに多いか。

何事もできるタイミングをみはからって行動し、とりあえずの完成を目指すということの繰り返しです。・・・どこを完成と判断する繰り返し時点の作業が、完成には至らないがそこへ近づくしかないように感じます。

アガンベンの著作は、未来社はじめ、複数翻訳出版されている。
2010年春にも出版されたばかりものもがいくつかある。

ホモ・サケル 主権権力と剥き出しの生ホモ・サケル 主権権力と剥き出しの生
著者:ジョルジョ アガンベン
以文社(2007-04-10)
おすすめ度:3.5
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中味のない人間中味のない人間
著者:ジョルジョ アガンベン
人文書院(2002-12)
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王国と栄光 オイコノミアと統治の神学的系譜学のために王国と栄光 オイコノミアと統治の神学的系譜学のために
著者:ジョルジョ・アガンベン
青土社(2010-02-23)
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スタンツェ―西洋文化における言葉とイメージ (ちくま学芸文庫)スタンツェ―西洋文化における言葉とイメージ (ちくま学芸文庫)
著者:ジョルジョ アガンベン
筑摩書房(2008-03-10)
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イタリア的カテゴリー ――詩学序説イタリア的カテゴリー ――詩学序説
著者:ジョルジョ・アガンベン
みすず書房(2010-04-16)
販売元:Amazon.co.jp
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