プラトンは「人間は身体と魂の合成体であり、その両者の組み合わせは双方の強大における均整が最もよく、その不釣合いが病を生じさせる原因となるから、回避・予防策として双方の共同訓練がよい」といい一方をとって他方を忘れることなく、両方が同時ながえにつけられた2頭の馬のように指導されなければならない。
「パリオペラ座のすべて」においてはルフェーブルもまたそのことを言っている。身体を通した表現は舞踏と言論の双方に通じる。
このことは1508年のモンテーニュによっても引用されている。
(プラトンにおいては魂を単に精神とは訳せない部分がある。少なくとも日本語のイメージで捉えるとそれは正しくは理解されないだろう・・・漢字は意味を規定する。もし余分な意味を与えようとするならば、それは曖昧さと誤解を生みやすい。例えば、哲学ですら、フィロソフィア(愛智)の意味をどこか意識的にか、人から切り離してしまう・・あえてそうした意図が組み込まれている部分もある・・・)
ルネサンスは身体蔑視というのも素朴すぎる誤解である。物質のみを重視する姿勢に批判的であったのであり、身体は「場」として捉えられた、と考えるほうがよい、のではないか。

プラトン全集〈2〉クラテュロス・テアイテトス
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プラトン全集〈12〉ティマイオス・クリティアス


エセー〈1〉
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発売日:2005-10
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「場は存在の形成そのものに働きかける」(locus igitur ad esse operatur)のである。

別々のものとして認識したとき、個々についての認識と役割も意識される。
フラ・アンジェリコ 神秘神学と絵画表現フラ・アンジェリコ 神秘神学と絵画表現
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*アルヴェルトゥス・マグヌスとフラ(ベアート)アンジェリコ、サン・マルコ修道院と図書館(ニッコロ・ニッコリの蔵書をもとにする)などに詳しい
アルベルティ「絵画論」とは別の立場の「絵画」表現について

・・別の問題は、この認識がどのように「受容」されるのだろうか。
受容する、受容可能であるという一見受身のようにみなされる能力についてはどうみなされるのか。
このことを近代以降問題にしたのは、バンジャマン・コンスタンのように思われる。様々なものの中の(多様な)共通なもの、価値からよりよきものを見つけだすことは一貫性がないことと同一ではない。彼はモンテーニュとルソーの中庸を思考した。動かさされやすさ(モビリテ)は、T.トドロフによって言及されている。
対立するものの中間に価値をおくのは、エピクロス派にみられる価値意識である(と私には思われる)
両義性の調停を求めることにつねに、回帰と展開はあったように思われる。

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光の認識は、同時に影の認識である。


P1080130

今年一番速く咲いたバラが6月になり、もう返り咲きはじめました。(スーヴニル・ド・ラ・マルメゾン)

以下はコメントのお返事です。


映画「パリ・オペラ座のすべて」ポスター写真 追加
2010.06.13 00:28 季子

>>検索でふらりとお邪魔したものです。「パリ・オペラ座のすべて」は映画館で見損ねたのですが、せめてポスターがほしいと思って。発売はしてないようですが、こちらでたくさん見られて良かったです。田舎にいるので、こんなに数種類もあるとは知りませんでした。UPありがとうございました。


季子さん、コメントありがとうございました。思いがけずイクスピアリの廊下に展示されていたときには感嘆してしまいました。そして思わず1枚ずつ撮影しました。ぜひ販売して欲しかった、と思いますよね。「パリ・オペラ座のすべて」はDVDも何回も見直しています。リハーサルと舞台、過程から上演、その背後まで見られる基調な映像だと感じます、オペラ座ですら、転換期なのだな、と感じました。そしてそれに対して監督ルフェーブル、ローラン・イレール、プラテルたちヌレエフ世代が鋭敏なところが印象的でした。シーンと言葉の両方に引かれる作品です。

Liberal Values: Benjamin Constant and the Politics of Religion (Ideas in Context)Liberal Values: Benjamin Constant and the Politics of Religion (Ideas in Context)
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Benjamin Constant and the Making of Modern Liberalism

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Benjamin Constant and the Birth of French Liberalism (Palgrave Studies in Cultural and Intellectual History)

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バンジャマン・コンスタン―民主主義への情熱 (叢書・ウニベルシタス)
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バンジャマン・コンスタンについては邦訳は少ないが、バンジャマン・コンスタン『征服の精神と簒奪ーヨーロッパ文明のとの関りにおいて』(慶応義塾大学法学部 「法学研究」に日本語訳が連載で掲載されたのを読みました。いずれ書籍化されることを願います)小説のコンスタン作品は文庫であるが、民主主義に関するコンスタンの著述も収録されるとよいのですが・・・・)


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