1月はマッキアイオーリとローマのボルゲーゼ美術館からの特別展が開催されます。
フライヤーでは、ラファエッロ・サンティの「一角獣を抱く貴婦人」が大々的に告知されてますが、個人的に観たいのはカラヴァッジオです。ボッティチェリの作品は、その工房とあるようにおそらく助手たちが手をいれている作品で、色彩や仕上げも画面で見る限りにおいてはボッティチェリならではの魅力はすこし弱まっているように感じられます。なんといっても彼の作品特有の天使の描き方が違うというか、ひょっとしてフィリピーノ・リッピが携わっているのかなどと思う部分があるのですが...実際にみたいところです。円形のタブロー(取り外しのきく絵画)は個人が注文した結婚や誕生祝いに画家に依頼したもので、トンドといわれています。ですからこの作品も、個人が個人的な記念やお祝いのために画家と工房に依頼したものでしょう。



ラファエロ作品に顕著なのは、肖像画における服飾・装飾品の細やかな再現でしょう。つまり、衣服の素材やデザインなどを詳細に描き分けられる技量が自然に表現されていくことで、以降の肖像画ジャンルに影響を与えている気もします。

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ローマは月曜がボルゲーゼが休みでしかも完全予約制、日曜はヴァチカンが休みというなかなか両方を見る機会に恵まれないこともしばしば。貴重な展覧会になりそうです。しかし都美術館の展示ルームの無味乾燥さはどうにかならないものでしょうか....いい展覧会があるだけにいつもそれだけが残念でなりません。


昨日から高熱が出てしまい、年末までの仕事がまだ終わりません。
節々の痛みは治まってはきましたが、なんとか週明けまでに目処をつけなければ...。

写真は以前に訪れた際の撮影した、ラファエロの「アテネの学堂」(ヴァチカン)です.ヴァチカンのレオ10世の装飾(フレスコなど)は、フィレンツェのヴェッキオ宮と類似した部分があると感じます。カリオペの書斎や四元素の間などなど...ちなみにラファエロがヴァチカンの装飾責任者に選ばれたのは、やはり装飾品や調度品の質感、服飾の素材感などを絵画で詳細を描きながら自然な絵画を描けることがポイントだったようです。

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以前このblogにも掲載した写真ですが、ローマにあるカラヴァッジョの「聖マタイの召命」この祭壇画の大きさと迫力、明暗とドラマ性には息を呑みます。教会ですから、観るのに入場料はありませんが、寄進を忘れないように...観にいくなら午前か15時過ぎの教会の空いている時間に。私はパンテオンを観た後、この教会近くにある書店や文具店(フィレンツェにあるIL PAPILOの支店があります)をみて時間まで待ちました。

額縁のほうは、2001年イタリア年にあったカラバッジオ展で購入したナルシスの額絵。ルネサンス時代は、絵画・デッサンモデルは徒弟や弟子がしたといわれていますが、そうみてみると、ボッティチェリの絵画にもカラバッジオの絵画にも同じ人物がいるように思えます。ちなみにヴェロッキオのダビデは、徒弟だったレオナルドだといわれています。また最後の晩餐に描かれているヨハネは、やはりレオナルドの弟子だった人物といわれてもいます。

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