明日から「ベルギー幻想美術展」・・・数年前の「ベルギー象徴派展」がまだまだ記憶に新しいですが(その時はこんなブームはなくて、フロアに私と一緒にいった人、それに偶然遭遇した浅田彰氏と警備員しかいなかった....)、デルヴォー、クノップフらの絵画が出品するようなので会期中一度は行くつもりです。ただ、今一番見たい!というほどではなく、・・・というのもしばらく前長いこと、19世紀前後半における文学・絵画・演劇のながれ、特に象徴派とシュルレアリスム、ラール・プール・アールなどについてまとめていたので、これらの作品をみても単に「幻想」感覚は得られないという状態です。なぜ、ベルギーなのか。これは、当時主流だった実証主義・科学主義の中心こそがパリで、印象派絵画はその光学理論の応用から始まったという背景があり、そういったもので全てが説明できるわけでも、描けるものでもないという立場がとくに、カトリック土壌かつ急速に近代化にむかいつつあったベルギーにもおおきく波及したと思うべきでしょう。
この風景は、ロデンバックの「死都ブリュージュ」によく描かれています。


さて、北イタリア伝統の手法である花綱(ガーラント)を3面絵画で用いた「春の寓意」やスフィンクスは観たいですが、北方はなぜか天使がすべて女性化していますよね、私はビザンツ系〜ルネサンス期の両性的な図像が好きなので....

19世紀のフランス絵画でも天使はほぼ女性化しています。不思議なことです。
ラファエル前派で一度元の図像の流れにもどりかけます。

東洋美術でも飛翔するのは「天女」なのです。こういった図像的な解釈(深読み)をしてしまいます。

9月は2週目から忙しくなりそうで、初日にちらっと見に行ってしまおうかとも思っていたのでした。出張になったのでいけなくなりました。

9月はとにかくポンペイ展に期待したいです。
最近は国立西洋が一番「新しい」企画を組むように感じます。

他はブームの追随のような感じもします。

そんな中、庭園美術館のページをチェックしたら イタリアのマッキアイオーリ展があるとのことでこれはぜひ行きたいと思っています。
私個人的には、非古典派ではないのですが...

象徴派については、アーサー・シモンズによる「象徴主義の文学運動」がおすすめではないでしょうか。画家たちが詩人たちの作品にインスピレーションをえて絵画を書いたように、現代の私達は、絵画をみて画家の絵画ものをよみ、原点になった詩や芸術論をよむとさらに接近できるでしょう。とかくARTは「感覚的なもの」「感覚を喜ばすもの」ととられられがちな現代ですが、それだけではやはりいつまでも「  」つきの存在でしかないのではないか。


明け方に更新する内容なのかしら、、とも思いますが、8月からずっと疲れていたのが、出たようで昨日は午前中はまだ無理できましたが午後から座っていることもできず...寝込んだ挙げ句に、長時間は眠れなくて3時に起きてしまいました....

ただこういう時にしか、おちついてblogもかけないような気もします。


完訳 象徴主義の文学運動 (平凡社ライブラリー (569))完訳 象徴主義の文学運動 (平凡社ライブラリー (569))
著者:アーサー・シモンズ
販売元:平凡社
発売日:2006-03-11
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私が持っているのはとても古い版のものを中古で手に入れたのですが、平凡社は新しい装幀で出していますね。
平凡社は良い本を沢山出している版元なのに、何かブーム的なものがないと全く再版しなくなっている面が見受けられます。優れた専門書・翻訳書の多くが定価2900円くらいなのに、数年(もっとか)品切れ・絶版状態にしているために9000円、6000円になっている本が多いです。必要な人には届かず、転売している人が利益をえるようなことを減るためにも、良書の充足をしてほしいと思います。