ANGEL
アメリカン・バレエ・シアター「ライモンダ」素晴らしかった、堪能しました。
全幕バレエの素晴らしい踊りを3公演分くらい堪能してしまう2幕のすごさ。
想像以上で目がまったく離せません。
元々、素晴らしい踊りがちりばめられたライモンダは、宝石でできた首飾りのようだとたとられるほど。3幕を2幕にしたことで、3幕構成を踊りのすばらしさと豊富さはそのままに凝縮されていました。構成や演出についても書きたいこともありますが、まずは公演のすばらしさから。

1・2幕をコンパクトに、2幕後半からのライモンダを代表する踊りとサラセンとスペインの踊りはそのままに、大幅に凝縮された内容。さらにダンサーも豪華です。
ソリストのデビット・ホールバーグは群舞のペアで入っていました・・凄い見ごたえです。

マリア・リチェットとエリカ・コルネホのソロも素晴らしかった。
柔らかく、しなやかで軽やか。踊りの楽しさも伝わって。1幕・2幕ともに素晴らしかった。もっと拍手があってもいいのに!と思いましたね。。

カルメン・コレーラの「白い貴婦人」初めてみたけど綺麗でした。バランスがよく動きが美しい。長身でしなやかで映えますね!(ドン・キではメルセデスなので楽しみです)


そして、ジリアン・マーフィ凄い。2幕になってからは特に彼女の持ち味とマーフィだからできる踊りの数々に目を奪われた。というのも、元々素晴らしい振付なのだけれども、そこにマーフィの今の技術で可能な限りの上級な表現があった。テクニックではシェネの軽やかさ、舞い上がり手を首の後ろにかざすハンガリー風のポーズが空中できまる瞬間は本当に美しかった。形を早くつくれるから、その美しさを残像で残せるのでしょう。目に焼き付いてます。振付に正確でありながら、最大限の表現をする為のテクニック。
いわゆる「技術の人」という範疇では収まらないものがあった。
紫の衣装も本当に合っていました。ライモンダの振り付けはどれも美しく、クラシックバレエの技術と美しさとハンガリーをはじめとする民族舞踊の魅力に満ちあふれるもの。
ライモンダのヴァリエーション、短調の曲に合わせて舞う表情は哀しみがみえ、この踊りをみて初めてこの曲と踊りの場面は、死に至ったアブデラフマンへが背景にあるのではと思う。それでなくとも気持ちの揺さぶられる曲と踊りではあるが、昨日はとても引きこまれた場面。

マズルカ、そしてチャールダッシュに続くグラン・パ・クラシックはもう圧巻でした。
ライモンダは白に花や植物の刺繍が映える衣装、そのほかのソロはライモンダらしく水色で、アラベスク文様が金で縫い取ってあって綺麗。
アントレから引き込まれてしまうのは、ABTの良さが凄くでていたからだと思います。
女性ヴァアシオンでは、マリアリチェットとエリカが魅せます。
手先が美しくて、振り付けが浮き上がるよう。
パ・ド・カカトル、見ごたえ凄いです。4人の男性ソリストが勢揃いですから。
コーダは男女が踊り、リフトでステージが埋め尽くされるほど、、踊り手が揃わないと上演しないという理由はこの当たりにもあります。優れた男性ダンサーが揃っているカンパニーならではの魅力でした。

そしてライモンダのヴァリアシオン、ジャン・ド・プリエンヌのヴァリアシオン。
コレーラは期待を裏切りません。技術も勿論すごいけれども、1幕のダンスール・ノーブルな立ち振る舞いにも感動しました。
あんなに高く跳び、回転しながらも音楽の豊かさを決して逃さないで、身体の中に取りこんで一体化する。コレーラが凄いのは、技術や技巧だけではない、高い音楽性ゆえ、バレエに特別な相乗効果が生まれるんです!!スペインで音楽に合わせていかに踊るかという指導をカレミア・モレノ先生に教わったと言っていますが、コレーラの踊りが特別なカタルシスをもたらすのはそういう事なんだと思います。
(たとえば、ニーナの踊りが、バレエという音声を発しない踊りなのに、彼女の踊りがまるで唄うような、メロディを奏でるような華やぎを発してるのもそれに関連する)
コレーラといえばテクニック、のような紋切り型の賛辞ですが、それだけではない、いくつかの理由があります。多分一つはその音楽性の豊かさ、センスの高さ。

ところで十字軍にいかず、帰還する設定でもないのでややジャンとアブデラフマンの存在というのが輪郭が消えているのですが、踊りは素晴らしい。
というかアメリカって十字軍とか演出してもしらけるだけなのかな・・なんて思ってしまいました。パ・ダクシオン(求愛の踊り)パスター、良かったです。アブデラフマンという異色・異教の存在感がもっと強く出るとジャンとの対比がもっと面白いものになると思うのです。(やはりタランダの存在感は凄かったから・・・でも比べるのは面白くないですね。誠実そうなアブデラフマンで、ライモンダは途中からありえないほどアブデラフマンに気持ちが傾いていました)
フィナーレ、そしてカーテンコールでは、客席もスタンディングで拍手を送りました。
本当に、素晴らしい公演でした。