やっぱりギャップを感じる・・期待感を持ってみにいった映画「ファントム・オブ・オペラ」ですが。絶賛の感想ばかり見るのであえて書きます。

ミュージカルの醍醐味はやはり歌とダンスの共存なのでは、と思うことしきり。ストーリーも直線的で−−先が見えてしまう。そしてその先に何かあるわけではなく。役者は吹き替えなしで、というのがポリシーだったようですがそのためか歌唱力も演技も見た目(映画だし・・)もインパクトの無い配役でした。ラウルは良かったと思うけど。何より「カルロッテを凌駕するクリスティーヌの歌」なんだか全然納得行かない気持ちでいっぱいです。カルロッテのほうが良いよ!(キャラも立ってるし)
ミュージカルでも設定が「オペラ座」(しかも天下のパリ・オペラ座」なんですから、イージーに聞ける歌と軽ろやかに歌う歌はまったく別ものです。

よくオペラ座から苦情が来ないなぁーと思いますが・・・。
いや見ている側は「これはパリ・オペラ座だな」と思っていいんですが作品中にそれを固有名詞で出すのってどうなんでしょう。例えば「死霊」の川は隅田川だと読者が思うような設定でいいのでは、と思いますが。

作品に没頭できたのは前半。オペラ座の舞台裏の混沌とした豪奢な猥雑さ、あの何か生まれ様としている熱気は映像として美しくて怪しくて大好きでした。
ファントムの地下へ降りていくまでは楽しかったのですが・・・。

全体として思わせぶりな予告と広告だったので期待が高かったためかがっかりというか、見終えた今じゃレンタルで十分だった。
ーーー「キャッツ」のエンターティメント性が大好きなだけにがっかり。いや本当、エリオットの詩とウェーバーの曲、そしてリンの振り付け、あれは素晴らしいです。

歌だけの舞台だったらオペラの方が好き。
ダンスだけだったら当然バレエが好き。
比較の問題じゃないんでしょう〜が比較したくもなります・・・
しかしその両方を兼ね備えた役者が揃うミュージカルは素晴らしいと思うのです。完全版のキャッツのように!